「高齢者は引越させるな」常識は日本のガラパゴス

2月26日
セミナーで、日米のシニア住宅比較してた/アメリカだと、自立型シニア住宅と要介護型シニア住宅は別物で、「移り住み」が発生する/その点、日本のサ高住だと、部屋の移動はあるが、建物の移動はない

社会福祉の専門家は、「高齢者の移り住みはストレスになり、論外」と否定する。舛添知事も然り/その常識は、実は日本ガラパゴスな常識でしかないのでは?案外、高齢者は移住耐性があるのでは?とアメリカ高齢者と比較して感じる

「高齢者に移住はストレス」というのは、そもそも人生の中で引っ越し体験がゼロ回か一回しか無かった、大正世代や昭和一桁世代の常識なのかもしれない。それ以降の世代だと、一回以上は引っ越し経験があるから、住み替え耐性が出来ている可能性がある

高齢者の常識は世代によって変化する。「高齢者は魚が好きで肉が嫌い」というのは昔の常識であり、今の高齢者は肉が大好き/それと同じで、今どき高齢者は「意外と移り住みオッケー」かもしれない。それを知らないのは社会福祉の「専門家」だけだったりして

そもそも、最近の高齢者は「郊外の不便な戸建から、駅前の便利なマンション」にカネがあれば住み替えてる訳だから、「高齢者は住み替えが苦手」「高齢者を住み替えさせるべきじゃない」なんて、ちゃんちゃらオカシイ

今問題なのは「郊外の戸建を売ろうにも、買い手が付かず二束三文」な一方で「駅前のマンションが高騰」してるから、退職金ぶっこんでも買えない点にあるわけで。戸建が上がるかマンションが下がれば、もっと住み替えがポピュラーになるだろうな

アメリカでは、自立型シニア住宅のトークとして、「今の広い家を売却してシニア住宅にダウンサイジングすることで、差益を産んで老後資金を捻出しましょう」/このコンセプトを日本も取り入れるべき。郊外ニュータウン戸建を売って(貸して)松山市の中古マンションにダウンサイジングして差益で暮らす

ちなみに戸建ニュータウンは、売れば「二束三文」だが、貸せばそれなりの賃料になる。この「売却と賃貸の格差、サヤ」に気づいたのが、移住住みかえ機構創始者の大垣氏/彼は「不動産金融、不動産バリューのビッグデータ解析、サヤ取りの名人」

不動産金融工学、或いは不動産バリュー工学の展開例とは、移住住みかえ機構のようなケースを指すのであり、間違っても「おうちダイレクト」のことを指すのではない

日米シニア住宅比較/日本の高齢者住宅の類型は、「サ高住」「グループホーム」「特養」「有料老人ホーム」・・・と、兎に角「種類が多過ぎる」らしい。国交省系と厚労省系の類型入り乱れ/しかも、どの施設に入所してるかで、介護保険支給額が変わる摩訶不思議制度。

日本のヘルスケア施設に投資しようと考える外資に、日本の介護保険制度やシニア住宅制度を説明しても、「なんたる複雑怪奇な制度、クレージー」と呆れられるらしい/多分、業界の中の人も、複雑怪奇で混乱してるのでは?/一回ガラガラポンでリセットすべし。

これ、シニア住宅制度だけじゃなく、あらゆるジャンルで、各省庁が用意した制度で複雑怪奇、という現象が進行してそうな気がする。ガラガラポンすべき/法律も、1,000本以上現存し、霞ヶ関キャリア官僚でも他省所轄法律の名前を知らない有様。これもガラガラポンしよう。

@koo_nya アメリカでは高齢者の住み替えが割と普通にあるらしいので、「アメリカの高齢者は住み替えがそんなにストレスじゃない」、更には「実は日本もそうじゃないのか?」という話なんですが

高齢者の住み替えストレスの話は、感覚論で話しても仕方ないので、「住み替えを経験した高齢者と、しなかった高齢者」で、寿命とかストレス数値とかの比較を医学的にエビデンス比較すべきだと思う

高齢者の現役時代のライフスタイルにも左右される話。三陸の被災地の高齢者なんかは「生まれてこのかた、引っ越ししたことない」から、仮設住宅への住み替えストレスは半端ない/高度成長期に首都圏に移住してきた高齢者は、そもそも引っ越し体験あるから、住み替えストレスは少ないものと推察される

@koo_nya 村社会的コミュニティ(三陸の被災地)では確かにそうですが、東京23区の高齢者の感覚は、アメリカ並み、ないしそれ以上にドライな可能性があります

大前提として、大手不動産を対象とした東京都心でのセミナーでの、ヘルスケア専門家の講演をベースにツイートしてますので、前提は「首都圏の高齢者」と理解してください

で、自分が散々主張している「高齢者の地方移住で、首都圏介護難民回避」は、大前提が「住み替え経験を持ってる高齢者」ですから、住み替えストレス耐性が、少なくとも三陸被災地よりは高い

@boreford 住み替えストレスがゼロにはならないでしょう。ただ、住み替えストレスを上回るメリットを提示できれば、住み替えが進む訳です/アメリカの高齢者は、荷物どうしているのか?

住み替えも一種の「スイッチングコスト」だからなあ。確かに、高齢者ほど、精神的スイッチングコストは上昇する/日本人はスイッチングコストが高くて、アメリカ人はスイッチングコストが低いのか?

高齢者の住み替えのストレスが「ゼロ」とは言わない。確かに若年層よりはストレスは高いだろうし、アメリカ人よりは高いだろう/ただ、大正・昭和一桁生まれと比べれば、団塊世代はストレス耐性が高い可能性が高いし、専門家が懸念するよりはストレス耐性が高いのでは?

東京都心〜30キロ圏のような、「人生の中で、住宅すごろくで数度は住み替えるのがスタンダード」な社会と、3大都市圏以外の「人口の過半数が、住み替え件数ゼロ」な社会では、文化も違うし言語も違うと体感。地方だと、実家あるのに転居すると「何か悪いことしたのか?」となる

地方とかだと、「次男三男」は、まあ住み替え(というか、家を出る)が、「長男」だと、よほどの理由がなければ実家に留まったりしてたからなあ。そういう文化だと、実家を離れること自体に「後ろめたさ」を感じたり。

首都圏と地方で文化常識が違うといえば、「海外旅行経験率」なんてのも、実は圧倒的に違う。詳細データはないが、東京都だと「出国経験率」が多分7割超えてるのに対し、青森県辺りだと2割も行かないのでは?

「東京に行ったことある青森県民の割合」と「海外に行ったことのある東京都民」の割合が、概ね同程度、というイメージ。青森県民からすれば、東京行きとは「洋行」に匹敵する

単年度の出国率データはある。https://www.jata-net.or.jp/data/stats/201/08.html… 東京都26.2%、青森県3.2%

東京の中高一貫校なんか、息を吸うように、2週間程度全生徒を海外修学旅行に送り出しているからなあ。青森県民から見ると異次元世界だろう。

地方人は「東京だと電車が3分毎に来る」ことに驚き、東京人は「地方だと電車が1時間毎にしか来ない」ことに驚く。言い古された話だが。

地方人の常識は「戸建はマンションより高い」、最近の東京の常識は「マンションは戸建より高い」。この辺は、未だ昔の東京人の常識リセットが追い付いていないが。