【9/5⇒10/6 自費出版学、ブログ学】

9月12日
★時間も経済的余裕ある定年退職シニアが、「後世の為に」と自腹で自費出版するケースがある。テーマは、現役時代の仕事内容だったり、趣味だったり、自分史だったり。
★こういう自腹で自費出版するシニアに対して、「自費出版のノウハウ」をレクチャーする講座があっていい。例えば、「どのテーマで執筆すれば、多くの人に注目して貰えるか?」という割と単純なことも、案外知らないシニアも多い
★自身の現役時代の仕事内容を執筆した方が、希少性がありアーカイブ価値が高い、つまり多くに読まれるのに、趣味の山登りについて延々と書いて自費出版したり、的ミスマッチ。
★逆もあるだろうな。その人の現役時代の仕事内容にはさほどアーカイブ価値はないが、その人の趣味の方にアーカイブ価値がある、なのに仕事内容の方を自費出版しちゃったりする
★だから、アーカイブ世界全体を俯瞰した上で、「このシニアが有する知見のうち、この部分が貴重」と価値付けして、シニアに「あなたはAについて執筆したいようですが、Bを書いた方がいいですよ」と的確にアドバイスする、そういう第三者がいたら、自費出版の価値が高まる
私見だが、こういうシニア自費出版のアドバイザーの役割は、地域図書館の司書が果たせばいいのでは?とかく図書館は「公営貸本屋」「司書不要」と揶揄されるが、司書の「アーカイブ全体を俯瞰する能力」を、シニアの自費出版への意欲の空回り防止に役立たせたい
★テクニカルな話をすれば、「どういうタイトルを自費出版に付けるか?」も重要。タイトルによって、検索されやすい、されにくいが全然違う。その辺も要アドバイス
★あと、想定する読者ターゲットを意識して、想定読者層にカスタマイズした文体にする、そのような配慮も必要だが、自費出版出すシニアは素人なので、「読者層のターゲット化」なんて発想自体持ってなかったりする
★テクニカルな話だが、同じシニア層を想定読者とするなら、文字の大きさは大きくすべき。中学生を想定読者とするなら、使用語彙は平易にすべき。それこそ小学生を想定読者とするなら、ルビを振るべき。その辺が「読者を意識した文体カスタマイズ」
自費出版シニアは素人だから、無意識のうちに「普通の大人に向けた書籍」になってしまう。切り口を変えて「子供向け自費出版書籍」とか「外国人向け自費出版書籍」とか企画したら、案外受けるかも
★「自費出版」で話したが、「ブログ」も同じ。まずブログのタイトル、個別エントリーのタイトル次第で検索引っ掛かり率、ページビューが違う。自分の仕事をテーマにしたブログにするか、趣味をテーマにしたブログにするか、素人初心者向けをイメージしたブログにするか、セミプロを対象にするか
★「子供を想定読者にしたブログ」「外国人を想定読者にしたブログ」と言うのはあまりお目にかからないが、ニーズはあると思う
★どうしても素人シニアは、「第三者から見たら読みづらい文体」とか、気にしない傾向にある。そういうのをアドバイスして補正するのもアドバイザーの役割
★専門用語とか、一般読者は知らなかったりするが、シニア自費出版者は無意識のうちに文中で使用する。悪気があるのではない、「一般人はその用語を知らない」という事実を知らない
自費出版の続きだが、本のサイズをどうするか、装丁をどうするか、章立てをどう分けるか、章の見出しはどう付けるか、挿し絵・写真を入れるか、ゴシック文字やカラー字を入れるか否か、で読みやすさはガラっと変わる
自費出版する際に心掛けたいのは「自らしか体験しえなかったことを公開アーカイブすること」も重要だが、アーカイブ性が低くても、想定読者設定を変えてみて(例:子供)、それにカスタマイズした自費出版出すことは社会的に意義がある。子供向けの戦争体験本とか
★施主ブログ(例:「積水イズステージで建てました」的ブログ)は沢山あるが、何故か「積水イズステージで建てました」的自費出版は見かけない不思議
★やはり自費出版は資金と時間に余裕あるシニアが手掛けるモノで、施主の大多数は30代40代だから、「編集して出版する」金銭的余裕も時間的余裕も、ないのかな?
★図書館に並んでる家作り本のほとんどは、中小ビルダー社長の、「自分の工法の優位性をアピールする」宣伝本ばかりだからなあ。消費者の実体験本があればそれなりにニーズあると思うのだが
★ただ施主ブログを転載して出版するだけだと、あまり芸がないし、金払って買う気にならない。ある程度プロが編集して「読みやすく」すべし
★実は分譲新築マンションって、消費者側発信ブログって、少ないんですよね。有名どころでは、のらえもん様とはるぶー様とマンションマニア様程度。自分は仕事柄、注文住宅と新築マンション双方ウォッチしてますので、差異感じます。(一条工務店辺り、400ブログあります)
★やはり、新築マンションって、「供給されたものを買うか買わないか」で、消費者側の選択幅が少ないのでブログネタになりにくいのに対し、注文住宅だと、半年〜1年は消費者も「参加」するので、ブログネタも豊富で、発信意欲が高まるんでしょう。
★@Tokyo_of_Tokyo @aka1you 沖有人氏の「マンションは10年で買い替えなさい」も売れてる「らしい」ので、のらえもんさんも結構ヒットする気します/三井不レジの藤沢氏の本(ダメマンションを買ってはいけない)は、売れてるのかな?
★@Tokyo_of_Tokyo 確かに注文住宅の施主ブロガーで「コロシ屋」送られるまでにビッグな人はいないなあ。
★@Tokyo_of_Tokyo @aka1you 基礎データだと沖さんに負けるかもしれませんが、購入者の視点からの意見は貴重だと思います/「はるぶー様との対談」という形式なら、話が膨らんで行くかも
★マニア同士の対談形式にすると、お互いに相手の「隠れた引き出し」を刺激し合うから面白い。秘境駅マニアと酷道マニアの対談なんてのも、あったなあ
にほんブログ村の登録数、「新築マンション」と「分譲マンション」合わせて143ブログ / 注文住宅施主ブログ登録数=一条488、住林319、積水ハウス219、ハイム135、ヘーベル122・・・
★例えば積水ハウス施主ブログを単純に転載して出版するのは、読みづらいし芸がない。積水施主ブログのベスト2〜3本を編集加工して転載し、更に企画記事も加え、「積水施主ブロガームック」として年1回ペースで出すとか。積水検討客の購読が見込める
★注文住宅の世界では施主ブロガー記事が、他のハウスメーカー検討者の検討行動に一定の影響力与えてる。決定打にはならないが、セカンドオピニオン程度の影響力はある/分譲マンションの世界にはそういうのはない。マンコミ掲示板はあまり参考にされてない
★今気付いたが、注文住宅施主ブロガーの書き手って、男女半々、やや奥さんの方が多い。育児ブログやガーデニングブログ的なのも多い/マンションマニアな方って、自分の知る限りは、皆男性・・
★注文住宅施主ムックの考え方を分譲マンションに応用すると、メジャー7クラスについて、「各社1冊」毎でムックを出すイメージ?各社毎のコンセプト、各社毎のメリットデメリット、各社毎の購入者座談会とか。マイナスの意見も、敢えて削除せずに載せるのがポイント
★分譲マンションムックにしても、注文住宅ムックにしても、どこが編集発行するか、が問題。能力的にはリクルートなんだが、公平性が保てるか、企業にマイナスなこと書けるか?/その意味で、シニアが自費出版的、ボランティア的にこれらムックを発行するのがベター
★日本の社会学で、本格的にブログの研究してる人、いないんだろうなあ。/社会学の一ジャンルとして、ブログ社会学、SNS社会学が成立してもいい
★市井のアマチュアブログ学者の小生が定義する、「8大ブログテーマ」。1趣味2子育てペット3恋愛結婚4勉強進学資格5就職仕事6旅行記グルメ記7住宅8被災体験闘病記。住宅は一大ブログテーマ。
★前述の8大ブログテーマのうち、旅行記に特化したのがフォートラベル。今までは、個人が個々のブログに旅行記を散在させてしまい、エリア毎の一覧性がなく不便だったが、フォートラベルが旅行記専用プラットホームに成長したため、旅行記のハブとして機能して便利になった
9月13日
★フォートラベルの成功に住宅が学べる。今住宅ブログは、個別散在状況。「にほんブログ村」はブログリンク集でしかない。これをフォートラベルみたいに「住宅専用ブログサービス」に投稿する形式なら、「積水ハウスのブログ」「二世帯住宅のブログ」「建築地:静岡県のブログ」と抽出も容易になる
★分譲マンション購入者も住宅ブログ専用サービスに、購入のエピソードを投稿する。そういう文化がスタンダードになれば、「三井不レジマンション購入ブログ」「プラウド購入ブログ」と事業主毎ソートも出来るし、「タワーマンション購入者ブログ」とか「三鷹市マンション購入者ブログ」ソートが可能
★マンション購入者ブログが少ない理由は案外単純で、「ブログを立ち上げるだけのネタが少ない」から。決められたマンションを買うか買わないか、だから、エントリー数で10〜20程度しかない。だから、わざわざ専用にブログ立ち上げるのが面倒くさい
★その点、注文住宅の場合はエントリー出来るネタは100〜200はあるから、専用ブログ立ち上げよう,とするインセンティブが強い。
★面白いのは、注文住宅施主ブログを、マイホーム計画の最初の時点から執筆してる人は、あまり多くない。大体ハウスメーカーと契約した時点で、「家造りブログ始めます。実は半年前から住宅展示場を回り始めまして・・・」と、過去にさかのぼるブログが多い
★恐らく、最初はブログなんか書くつもりがなかった施主が、ハウスメーカー決定迄の様々なドラマを目の当たりにして、ネタも30〜50も溜まってきた段階で、「施主ブログ書きたい」と衝動に駆られるんだろうなあ
★分譲マンション購入過程では、せいぜい溜まってるエピソードは10〜20。これだけでは執筆意欲は湧かない/実は旅行ブログだって、1つ1つの旅行のネタ数は、長期旅行だって20もない。日帰り旅行だとネタは1つだ。ブログ成立しない
★旅行ブログのネタは1〜20程度、わざわざ専用にブログ立ち上げるのは敷居が高くて面倒くさい。そのような理由で眠ってた旅行ブログ執筆ニーズを、「フォートラベル」は旅行専用ブログプラットホームを用意して、「日帰り旅行から、ネタ1つからでも気軽に投稿出来る雰囲気」を作って、投稿集めに成功
★つまり、フォートラベルに倣って、「住宅ネタ1つからでも、気軽に投稿出来る住宅ブログプラットホーム」を作れば、注文住宅のみならず、分譲マンションも中古マンションも賃貸マンションも投稿集まるかも
★フォートラベル創業者が面白いこと言ってる。「掲示板は荒れやすいが、ブログは荒れにくい」。だからフォートラベルはブログスタイルを採用したらしい
★マンションコミュニティが失敗したのは、荒れにくいブログ形式じゃなく、荒れやすい掲示板形式を採用したからでは?
★一年365日、いろんな体験を仕事でも対友人でも対家族でも体験する。またいろんなニュースを見聞きする/体験したこと・感じたことのうち、ネット上に公開支障ない内容の中で、実際にネット公開してるのは、せいぜい1%だけ。残り99%はネット界に公開されずに各自の脳内に死蔵される
★例えば旅行の記録なども、フォートラベルなり個人ブログなりに公開されてるのは、世の中の旅行の、わずか1%程度
9月15日
★昨日の「ツイートされるのは、全体の僅か1%」の続き。例えば、自分は今日半日外出した。ツイートしようと思えば、今日の外出をネタに10ツイート程度はできるが、今日はめんどくさくてツイートする気分じゃなかったからツイートしない
★恐らく今日起こった出来事は、ツイートしなかったら、そのまま忘却するんだろうなあ
★日々の出来事をツイートするか否かは、人によって全然違う。つまらないネタを含めて1日に100ツイートする人もいれば、1日に1ツイートだけの人もいる。アカウント持ってるのにツイート一切しない人もいれば、そもそもアカウント持ってない人も多い
★「人に会いに言って、話を聞き出す」と言う作業の重要性は、実はここにある。99%の出来事は、本人は隠すつもりなくても、ツイートされないまま忘れ去られる。そこに誰か「話を聞き出す人」が現れることで、そのなかの数%がネット界にテキスト化される
★フォートラベルの旅行記だって、旅行記書いてる人は全体の僅か1%。その土地の魅力のうち、全国(ネット)に発信されてるのは僅か1%で、残り99%の「地方の魅力」は、その土地の人やネットをあまりしない旅行者の中で死蔵される
★例えば「地元の美味しい店の情報は、タクシーの運ちゃんに聞け」という格言がある。地元の名店情報がフォートラベルや食べログに可視化されるのはごく僅か。タクシーの運ちゃんは食べログ以上の情報を知っているが、わざわざその情報をネットにアップしてくれない
★施主ブログが分譲マンションブログより多い、と書いたが、施主ブログだって、書いてる施主は全施主の中ではせいぜい1%だろう(一条は数%)/住宅ジャーナリストが、積水施主、ミサワ施主に会いにいって、様々な話を聞き出しに行けば、様々な面白い情報が得られる
9月16日
★何故こういうことを延々と書いてるか?と言えば、自分が仕事で他社施主にインタビューして、いろんな面白い話を聞いてるから。でも具体的内容はここでは書けない。(守秘義務がある。)「誰か住宅ジャーナリストが同じ作業してくれたら・・」の思いがある。
★その人の脳内に眠ってる99%のうち何%を引き出せるか?がインタビュアーの腕の見せどころ
★記憶は年々劣化する。又、事件記憶などは変質する。3・11のような大災害ですら、被災者は自身の記憶と、口コミ情報やマスコミ情報を混同してしまい、自身は体験してないことすら、自身が体験した、と勘違いすることがある
★だから、「99%の掘り起こし作業」は早ければ早い方がいい。3・11被災体験などは、国家プロジェクトとして大規模被災者インタビューをしてもいいくらいだ
★戦争体験などは、記憶の劣化どころか、関係者の物故化が激しく、スピードとの戦い。自分は「全国の中学1年生全員を総動員して、自身の祖父母等にインタビューして、戦争体験を早期にテキスト化しろ」と言い続けてる
★中学1年生が適任なのは、受験等の時間制約がなく、一番作業時間があるから。また、彼らの祖父母がまだ存命してる可能性が高い。それなりにインタビュー能力、文章化能力も備わってるし、ネットリテラシー教育にもなる
★「戦争体験記なんて、それこそ今まで沢山の体験記が出版されてる、これ以上出しても意味がない」の反論が来そうだ/戦争体験者の中で、体験を文字化したのは体験者のうち僅か1%程度。残り99%のうち少しでもテキスト化することに、アーカイブ性がある
★これは以前自分の掲示板に投稿したネタだが、1970年代以降生まれが「俺たちは戦争の話なんぞ知らん」とネトウヨ化するのは、まあしょうがないか、と。しかし1960年代以前が「俺たちは戦争の話は知らん」とネトウヨ化するのは、アホじゃないか、と。
★1960年代以前生まれなら、ギリギリで、戦争を直接体験してた教師から授業を教わってた年代なんだが。それで「俺たちは戦争の話を知らん」というのは、多分授業を寝てたんだろう
★「戦争体験を全国的にアーカイブ化する」といっても、何らかのプラットホームに入力する形式じゃないと、後々一覧性、検索性に不便。フォートラベルの旅行記プラットホームは割と使いやすいので、これを参考に戦争体験記プラットホームを作ってみては?
★災害体験記も、フォートラベル的なプラットホームがあればいい。その中に、阪神大震災体験記も3・11体験記も竜巻体験記も東海大水害体験記も有珠山噴火体験記も全て入るようにする
★以前「対談形式だと、お互いに相手の引き出しを刺激し合って、よりいろんなネタが飛び出す」と書いた。その理屈で、「戦争体験者同士の対談」とか「震災体験者同士の対談」とか企画したら面白い
★似た環境下の2人の対談もいいが、若干違う環境下同士の対談の方が、「気付き効果」が高まる気がする。例えば「阪神大震災体験者と東日本大震災体験者の対談」なら、都市災害と地方災害の違い、ネット化以前と以降の災害のあり方の違い、等々が可視化される
★戦争体験者同士の対談なら「陸軍従軍者と海軍従軍者の対談」とか「北方従軍者と南方従軍者の対談」とか
★こういうのを企画するのが、ジャーナリストであり、出版社だと思う。単に戦争体験記が自費出版されるのを首長くして待ってるだけだと、大したアーカイブ作品は出て来ない。
★不動産会社の用地マン同士の対談本企画、開発マン同士の対談本企画、営業マン同士の対談本企画・・
★よく「週刊ダイアモンド」辺りに、「業界関係者覆面座談会」とかあるなあ
★「ヘーベルハウス施主と三井ホーム施主の対談本」なら自分が企画してもいい。自分なりにいろんな論点を思い付ける。
★「タマホーム施主と住友林業施主」だと、申し訳ないが、対談が成立しなさそう。年収学歴文化が違っちゃいそう。/「飯田のいい家購入者」と「プラウドシーズン購入者」も対談が成立しなさそう
★「IQが20以上離れていたら、会話は成立しない」と言う俗説があるが・・
★「対談が面白い」と書いたが、「日経ホール」辺りで開かれる業界関係者シンポジウムの「ツマラなさ」は異常。ああ言うのは、台本に沿った発言しか出来ないからツマラないんだろうなあ
★例えばヘーベルハウス施主と三井ホーム施主の対談なら、互いに相手の家をお邪魔して、感想を述べあう。阪神大震災被災者と東日本大震災被災者の対談なら、互いに被災地を訪問し合って、感想を述べあう。