中年男性の体重は、厚生労働省が認識してるより、重いのでは?

自分たちがまだ子供だったころ、「池中玄太80キロ」というドラマがあった。
確か西田敏行主演のドラマだったが、「80キロ」というのは、文字通り「体重80キロ」の意味である。
要は「体重80キロのデブが活躍する物語」という意味である。

このドラマ見て、「80キロなんてデブだなあ、あんなデブにはなりたくない」と子供心に思っていたが、
数十年後、なんのことはない、自分がその大台に達してしまった。
(自分の世代の人に聞いてみると、やはり「玄太80キロ」は「超えたくない大台ライン」のハードル、という
 意識を持ってる人が多い)

しかし、自分の周り、どうにも「80キロの大台超え」の中年が多い。
「類は友を呼ぶ、デブの周りにはデブが集まる」のかもしれないが、
自分は「池中玄太のころは80キロがデブのラインだったが、今だとそのラインは
90キロないし100キロまでインフレしているのでは?」という気がする。
池中玄太の頃は、中年で体重80キロは「5人に1人のデブ」だったが、
それが今では「3人に1人程度には存在している」、ポピュラーな存在になっているのでは?というのが自分の仮説。
現代で「5人に1人のデブ」というのは「90キロ」程度必要かもしれない。

昔は80キロのデブはそんなにいなかった、だから番組タイトルにもなりえたんだろうが、
今では80キロデブなんて、結構ありふれていて珍しくない。
この辺の統計データって、どこかあるんだろうか?

ということで、統計めいたものを検索してみたのだが、成人して以降の体格データというのは、
実はなかなか存在しない。
未成年であれば、学校が強制的に健康診断、身体測定するので、
ほぼ全員を網羅した体格データが存在するのだが、学校卒業後は「強制的に身体測定する仕組み」が非存在なので、
信憑性のある体格データが存在しない。

強いて言えば、厚生労働省が実施する「国民健康・栄養調査」があり、厚生労働省はこのデータを以て
各世代の体格を把握しているようである。
しかし、この調査は「全体協力率が66%」という調査であり、この手の調査では協力率は高い方だろうが、
それでも100%じゃない。
そして、男性単身世帯だと、この協力率は45%程度しかないらしい。

ここからは仮説だが、こういう調査に協力しない人というのは、「標準体重から逸脱している人」の比率が、
調査協力層よりも有意に率が高いのでは?と仮説できるのでは?
要は、デブの元に「国民健康・栄養調査にご協力下さい」という調査票が来ても、
「こんな調査票が来たけど、どうせ調査に参加しても『痩せなさい、運動しなさい』と耳に痛いことを
口うるさく言われるだけだろう、だからブッチしてやる」という感じで、調査票を無視・協力拒否する割合が
高いんじゃないか、という気がする。
3分の1の人が参加しない健康調査というのは、非参加クラスタの方にこそ、不健康層がウヨウヨしている、と
推察できる。

とは言っても、こういう調査に参加しない層を強制的に調査する仕組みが現状の日本では作れないので、
いかんともしがたいのだが、国民健康・栄養調査の実態を眺めるにつけ、
「このデータを元に健康政策を組み立てるのは、いささか危険じゃないか?」と、思わざるを得ない。

【以降、2014年1月12日〜のツイートを転載】
国民健康・栄養調査の協力率は、都市部で低く、地方は高い。都市部で不健康中年が多ければ、全国平均の中年体重は、よりデブが多い、ということになる。/中年男性の体重は、厚生労働省が認識.. http://anond.hatelabo.jp/20140112232011
高齢者は、割と協力率が高い。だが、国民栄養調査の調査票回答事項を、正しく書ける高齢者が少ない、誤記が多いという別の問題があって、やはり回答の信憑性が落ちるそうだ/中年男性の体重は、厚生労働省が認識.. http://anond.hatelabo.jp/20140112232011
国民健康・栄養調査の中には、「年収と健康の相関関係」を調査するため、「年収」の項目があるらしい。だが、そういう項目を設けたがために、「ヒトの年収を尋ねるとは失礼だ!!」として、調査全体の協力拒否を招いているんだとか。http://anond.hatelabo.jp/20140112232011
年収データは直接調査対象者に聞かず、厚生労働省の方で税務署に問い合わせればいいのに。正面切って対象者に質問しても、そもそも正直に答える保証はない。単に回答拒否を惹起するだけ。/中年男性の体重は、厚生労働省が認識.. http://anond.hatelabo.jp/20140112232011
この調査、血液検査もあるらしい。自分などは、単に痛いだけの血液検査なんて、相当カネを積まれないと、協力する気になれない。というか、多少は協力謝礼出るのか?/中年男性の体重は、厚生労働省が認識.. http://anond.hatelabo.jp/20140112232011
国民健康栄養調査では接種カロリー量も調査しているが、これが自己申告。「政府が痩せ過ぎを問題視する社会」ではこの自己申告は過大申告になりがちで、「政府が太り過ぎを問題視する社会」ではこの自己申告は過小申告になりがちらしい。自身の食生活に後ろめたい人は、真実を自己申告しない
終戦後、日本人が飢えに苦しんでいた頃は、栄養調査では「結構カロリー摂取してます」と過大申告する人が多かったらしい/飽食の現代では「あまりカロリー摂取してません」と過小申告する人が多い
その結果、今の日本人は「終戦直後よりも、摂取カロリーが少ない」という異常事態に、データ統計上は陥った。何のことはない、自己申告がもたらしたマジックだった訳だが、恥ずかしながら自分もこの数字を盲信し、「若年女性のダイエット志向は危機的だなあ」と感じてた。
「国民健康栄養調査参加拒否者の平均体重は、参加者の体重より有意に重いのでは?」仮説だが、例えば企業が実施している社員健康診断データと突合すれば何か判るかも。
参加率60%台の国民健康栄養調査で「平均体重70キロ」、参加率90%台の企業健康診断で「平均体重72キロ」、というデータがでたなら、「国民健康栄養調査には参加しないが企業健康診断は受けるクラスタの平均体重は、76キロ程度」と推察される
国民健康栄養調査を槍玉に上げたが、政府が実施するこの手の調査だと大なり小なり抱えている調査限界。自分に関係する話だと、5年に1回の「土地家屋統計調査」も、多分似たようなバイアスかかってる/つまり、日本の住宅の現状は、土地家屋統計調査数値より悪い公算が大
政府のオメデタイ点は、この手の悉皆性が求められ、しかし悉皆性が結果的に崩れてる統計調査について、問題を認識しながら、悉皆性向上の方策については「調査の意義を啓蒙する」とお花畑な解決策しか提示してない点。この手の参加拒否者は、啓蒙予算を100倍にしたって参加しない
ただ、この手の悉皆性を求める調査って、法的には国民に参加協力義務を課しているんですね。罰則がないから悉皆性が崩れてますが/多分裁判員制度の制度設計は、この手の悉皆調査の延長線感覚なんだろう。住民基本台帳データを元にしてる点が共通/罰則を設けてる点は違うが