統合リゾート(カジノ)は、妻子同伴で行動する欧米上流文化が大前提

6月4日
日本人にイマイチ「統合リゾート」が理解されないのは、例えばビジネスマンや研究者などが海外出張する際に、「妻や子供が出張に同行する文化が全くない」からだと思う/欧米では、例えば研究者が他国の国際会議に参加する時などは、パートナー(妻、同棲相手。場合によっては同性)を連れて行く
で、連れて来たパートナーは、会議後のレセプションパーティーに参加したりする。その為に連れて行く/しかし、会議そのものは、研究者しか参加出来ないし、パートナーは会議の間は「ヒマ」。/だから、パートナーのヒマ潰しアイテムとして、アミューズメント施設、つまりカジノが必要になってくる
イギリスの競馬場などは紳士淑女の社交場で、パートナー必須。/一方日本の競馬場は、オッサン一人。夫婦とかカップルはほとんどいない/日本人はカジノと聞くと「日本のすさんだ競馬場」をイメージするが、世界的には社交場。そもそもイメージ面でボタンの掛け違い
「東京に外人向けの広いホテルが少ない」と言われる/日本人的感覚だと「出張とかで、そんなに広いホテルは不要でしょ?」と感じる/欧米エグゼクティブは、出張にもパートナーを同行させる。パートナーはアメリカの自宅並みのスペースがある客室で、自宅同様のゆったりした「生活」を東京でも要求
だから、統合リゾートにカジノだけ作るのは片手落ちで、奥様向けのスパ・エステとか、託児施設なんかも必須な訳だが、そういう解説記事は見かけないなあ
要は「ダボス会議みたいのを、ジャンジャン東京に誘致しましょう」な話で、カジノはその為の手法に過ぎない
でも多くの日本人は、「ダボス会議って、何?」「ダボス会議を誘致する意味あるの?」レベル/だから、その手段であるカジノも短絡的に反対されてしまう
だから、カジノ賛成派は「ダボス会議とは何ぞや」とか「欧米エグゼクティブの出張は、妻子同伴が当たり前」と言うレベルから、まずは説明をスタートさせなければならない
でも「ダボス会議とは何ぞや」とか「欧米エグゼクティブの出張は、妻子同伴が当たり前」と言うレベルから説明始めたら、説明時間がいくらあっても足らない。説明を聞く側が我慢出来ない/だから「カジノ賛成派」は世論工作に失敗する
あと、変な話だが、日本ではエグゼクティブ・高額所得者ほどギャンブル嫌い、ギャンブルをしなくなってる/そんなことじゃ、ギャンブル慣れした世界のエグゼクティブと会話が合わせられるのか、心配
例えば日本のグローバルエリートは、英語は喋ることは出来ても、ポーカーとかブリッジが出来るんですか?と言う話。向こうのグローバルエリートと一緒にポーカーやブリッジが出来なきゃ、グローバルエリートコミュニティに入れないでしょ、という話
だから、東大の教養過程の授業に「ポーカー」とか「ブリッジ」を設けるべき
バブル期の社畜、もといエリートサラリーマンが、接待ゴルフに社会人人生をかけ、自腹でゴルフ練習場に通ったのと一緒。グローバルエリートは自腹で「ブリッジ練習場」に通うようになるかも
多分、日本と欧米では、競馬のルーツが違うんだろう/ヨーロッパでは、貴族が自分の馬を自慢する場が競馬場。だから上流階級の社交場になった/日本の競馬場は、戦前は軍馬育成目的、戦後は国・自治体の財政目的。そもそもが上流階級と無縁でスタート
一旦「金持ちのコミュニティ」になってしまうと、貧乏人は気後れして寄り付かなくなる。欧米の競馬場がこれに該当/一旦「貧乏人のコミュニティ、もとい、溜まり場」になってしまうと、金持ちが気持ち悪がって寄り付かなくなる。日本の競馬場がこれに該当
だから、日本のカジノも「出だし」が重要。「出だし」で金持ちが沢山来るようになれば、自然と金持ち最適化された雰囲気になり、ますます金持ちが寄りつく/「出だし」で貧乏人が沢山来てしまったら、貧乏人最適化されてしまい、軌道修正は極めて困難になる
野村「プラウド」がブランドとして凄いのは、ブランド効果で金持ちが寄り付き、それがさらにブランド価値を高めるプラススパイラルだからです
だから統合リゾート、カジノを「成功」させるには、「カジノは金持ちの社交場」と言うブランディングが肝心。プラウドみたいな宣伝が必要。間違ってもスポーツ新聞に宣伝を載せてはいけない
日本版カジノが金持ち向けにブランディングさせたいなら、「金持ち志向」「専業主婦志向」「見栄っ張り志向」「お受験志向」が明白なプレジデントに企画記事載せればいい。「お子さんにポーカーやブリッジを教えないと、将来グローバルエリートコミュニティに参加出来ません」
まあ、「金融資産1億円以上じゃないと来場不可」「年収1000万円以上じゃないと来場不可」みたいな仕切りにすれば、カジノは自然と金持ちサロンになるわな。但し、メンバーをセレクションしちゃって、売上高を達成できるか?
だから、「小さく作って、大きく育てる」ことがカジノには必要。最初は来客数千人でも採算が合うレベルの建物規模に止め、来客が急増したら追加建築する、と言うやり方が正解/最初から大きな建物作ってしまい、客が来ないから、と大衆化させてしまったら失敗する