農業参入者数は、全然足らない

8月8日

先日植物工場展がビッグサイトであったが、植物工場展に来ている層が、「若返り」「女性比率急増」しているらしい。「明らかに、数年前と来場者層が断絶的に変化している」/で、植物工場展に来ている若い人・女性は、「土いじりが大好きクラスタ」じゃなく、「IT・ゲーム大好きクラスタ」らしい

いわば、「植物栽培ゲーム」感覚な若者が来場/でも、こういう「異クラスタ」からの参入が、農業を活性化させるのかも。

よく「農業も捨てたものじゃない。若い人で、農業志望者が増えている。彼らにうまく耕作放棄地を紹介する仕組みを作り上げれば、日本の農業の未来は明るい」という無責任論調を目にする。日経とか/そういう論調は、「若い人の農業参入が増えている」として、数名に取材したエピソードを開陳してる

しかし、そういう記事の中では、実際の若い人の農業参入数、絶対数をデータ提示しないケースが多い。/「若者の農業参入」記事は、感覚的な、定性的な記事。定量的データに基づいた記事ではない。

定量的データな話をすると、60歳未満の農業参入者数は、せいぜい1万人程度と聞いている。一方で、農業からリタイアする人は年間5万人とか10万人とかいる筈なので、定量的には「圧倒的に若者参入は少ない」。/「若者の農業参入が増えている」と訴える論者は、この辺の不都合な真実を隠してる

逆に言えば、「若者の農業参入が増えているから、日本の農業は心配ない」という状態にするには、若者の農業参入数を、今の5〜10倍のレベルで増やさなきゃ覚束ない。

但し、日経的には「零細高齢農家10万人がリタイアして、大規模農家になる(筈の)若者が1万人就農する、その時点で10倍の規模拡大が図れる訳だから、丁度いい」という屁理屈なんだろうなあ。