かかりつけ医って、皆持っているの?

12月28日

“「かかりつけ医」って、皆持っているの?” http://htn.to/EpCrb3

50歳以上になると「かかりつけ医がいる」と回答している人が増えている/しかしこのアンケ、あくまで自主申告。「かかりつけ医がいる」と回答した人の中で、実際に「かかりつけ医機能を果たしている」ケースは多くないらしい。

市民Aがアンケで「かかりつけ医Bを持っている」と回答/で、医師Bに「Aさんが、貴方を『かかりつけ医だ』とアンケ回答してますが、実際どうですか?」と聞いたら、医師Bは「自分は高血圧の件は確かにAさんを担当してるが、他の疾患は関知しない」とかかりつけ医であることを否定。実情そんな感じ

かかりつけ医の本来の姿は、「高血圧のみならず、胃腸の状態も腎臓の状態も皮膚の状態も基礎体力も精神状態も、患者を統合的に把握している医師」だから。断片的疾患だけを担当しているだけじゃ、かかりつけ医じゃない。

イギリスの家庭医制度の場合、「その家系を継続的に担当」している格好らしい。つまり、親の家庭医を、子供が引き継ぐ/家系的に引き継ぐことで、遺伝的疾患の情報を医師が把握できる。あの家系は高血圧家系だ、あの家系はガン家系だ、てな感じ

そういう「家系に対するファミリードクター」制度が成立するためには、人口の移動が最小限な社会でないと成立しない。リバプールバーミンガムから、人口の5%とか10%とかがロンドンに転出するような社会だと、ファミリードクター制度が成立しない

そういう意味で、東京圏への人口流入趨勢を放置したままで、欧州式の家庭医制度の導入って難しいと思う。

患者の側が地域に固定的でないとファミリードクターは成立しないが、と同時に医師の側も地域に固定的じゃないとファミリードクターは成立しない。ある程度医師も世襲でないと、ファミリードクター制度は成立しないのでは?親医師から子医師へ、家系患者の引き継ぎがあってこそ成立

日本の場合、開業医は割と土着的・世襲的だが、他方勤務医は「全国渡り鳥状態」だからなあ。ジッツ(医局)が将棋のコマみたいに、勤務医を動かしている/イギリスの勤務医で転勤が頻繁なのかどうか、興味ある