50代社畜解放の為の相続生前贈与

1月20日
沖有人氏の空き家に関する新書を読書。大体知ってることばかり/ただ、このエピソードは面白い。沖氏に相続相談に来る子世代(60歳前後)は、子供は社会人になって教育費が掛からなくなり、定年で退職金も貰う。その結果カネにそんなに困ってなくて、「別に親世代の遺産、今更要らないんだよね」

「90歳の老母の相続財産を、60歳な子世代が渇望してる」と世間は「誤解」してるが、実態は違う。相続財産を残す程度にカネがあるファミリーは、子世代(60歳台)も、「遺産貰わなくても、困らない程度にはカネを持ってる」

逆に言えば、「60歳で資金カツカツ、再就職しなきゃやって行けない、是非老母の遺産がほしい」というファミリーの老母は、大概遺産は殆どない

この辺の話は「空き家は2018までに手放しなさい」の160ページに載ってる。実際の相続の現場では、「遺産は渇望されていない」

と同時に、沖氏の本に書いてあるのは、「60歳になってから遺産貰うんじゃなく、50歳台で教育費が嵩む時代に、生前贈与が欲しかった」のホンネ/そういう「一流ファミリー」だから、50歳台でも年収1000万円は貰ってたのだろうから、生活は教育費嵩んでも、苦しくはなかった筈

では、上流ファミリーの「50歳台のうちに、生前贈与が欲しかった」の真意は何か?/多分、「意に沿わない仕事で年収1000万円貰うより、アーリーリタイアしたり、年収低くなっても遣り甲斐のある仕事、社会的意義のある仕事に転職したい」じゃないか?生前贈与があればそれが可能

つまり、この沖氏のエピソードは、「子供が50歳台のうちに親世代からの生前贈与を進めることで、50歳での社会的起業とか、人生を楽しむアーリーリタイアミドルとかが増え、日本の中年が明るくなるのでは?」という話になる

@momozou 人生のフリーハンド握るには資産1億円が必要で、50歳だと5千万円しか貯まってないイメージ。生前贈与でプラス5千万円あれば、フリーハンド握れるのに、それがないから定年迄社畜に甘んじる/定年で退職金で資産1億円になり、その時点で遺産5千万円貰ったところで「遅せーよ」

@momozou で、資産合計1.5億円を使いきれないママ30年後に90歳で死に、60歳になった孫世代が「今更1.5億円貰っても遅せーよ」と自身の資産1億円と合わせながらつぶやく

50歳で資産5千万円な人は、その時点で生前贈与5千万円貰ったら、その後定年迄10年間の収入を「1000万円→500万円」にシフトダウンすることが可能になり、社畜から解放される。まさに「好きな仕事ができる」「やりがいのある仕事ができる」

そういう「社畜からの解放の為の、生前贈与による資産移転」という論議は、あまりないなあ

実際、自分の周り見ていても、不幸そうな中年多いもんな。カネに物凄く困ってはいないが、フリーハンド握れる程は持ってないから、社畜に甘んじる/生前贈与受ければ、半数程度は社畜から解放されそうな感じ

一方で、生まれながら資産数億円な「ニュータウン黄昏な黛クン」は、逆にクズ人間になってしまう。人間、50歳までは社畜として働いて、50歳以降はフリーハンド人生を謳歌するのが、丁度バランス良いのかもしれない

まあ、年収1000万円層が、50歳になったら皆アーリーリタイアする社会になったら、その分年金財政が悪化しそうだから、国としては推奨できないわな/いや、消費が活性化するかな?

ところで、雑誌「ウェッジ」が、「老後破産とマスコミが書き立てる弊害」という記事出してるようだ。「必要以上に老後の経済不安を煽ると、それ自体がシニアの消費を冷やして、景気に悪影響」/全面的にウェッジに同意

夏目漱石の「高等遊民」の平均余命と、現代で50歳でアーリーリタイアした場合の平均余命が、大体同じ長さになるんじゃないかな?生前贈与を貰ってアーリーリタイア出来たら、「平成の高等遊民」になり得る

20歳で生前贈与したら「ダメ人間」になる可能性高いが、50歳で生前贈与したら、そこから道を踏み外す危険性は少ない。その意味でも、子供が50歳に達したら、親世代は生前贈与に踏み切っていいのでは?