3月4日
「○○○、と女子高生がマックで言ってた」とツイートする「マック話法」がある。「○○○」は本当は自身が考えてついたネタなんだが、それを「隣のマックの女子高生の口から言わせる」というプレゼン手法/近似ネタに「○○○と、死んだじっちゃまが言ってた」がある
「マック話法」は成立するのに、何故「スタバ話法」は成立しないのか?これだけで社会文化批評が成立しそうだ/「○○○と、スタバの隣の姉ちゃんが言ってた」とツイートしても、説得力低いのは何故?
つまり、「マック」というのが「マイルドヤンキーの巣窟の代名詞」ということなんだろうな。「○○○」をマイルドヤンキー予備軍に言わせるから意味があるのであり、スタバを拠点とするハイソな人種に言わせても説得力が無い
速水健朗の「フード左翼とフード右翼」によれば、「スタバはフード左翼の象徴」で「マックはフード右翼の象徴」らしい/左翼というのは大資本というより個人店舗を好みそうなものだが、スタバは「フード左翼でありながら、大資本化に成功した」ということなのだろうか
ロッテリアやモスバーガーは「マック話法の代替」にはなり得ない訳で、その意味では「マイルドヤンキーの象徴」としてのマックの地位は健在なんだな
いわゆる「トランプ現象」も、アメリカ版のマック話法で生まれたんだろうな。トランプ支持者は有意にマックに居て、反トランプは有意にスタバに居るイメージ/その意味では、フード右翼とフード左翼が、リアルの右翼と左翼とシンクロしている
あと、不動産業界ローカルでは「ルノワール話法」があるよな。「○○○な不動産営業をルノワールで見かけた」/ファミレスは、こういう話法の部隊には不適
名古屋圏だと「○○○と、コメダの後ろの席のオバチャンが言ってた」の「コメダ話法」が通用する気がする
「フード左翼とフード右翼」によれば、フード左翼業界も「セクト化、内ゲバ化」が激しいらしい。加熱を良しとするマクロビと、生のママで食すべしというローフーディズムの対立/ここでも「リアルの左翼が内ゲバ化した」という歴史とシンクロしてる
速水健朗の「フード左翼とフード右翼」読んでるが、速水氏が「取材の為にオーガニック、マクロビを食べ始めたら、次第に美味しさに目覚めて、フード右翼からフード左翼に転向し出した」とある/果たして、オーガニックやマクロビの類は、単純に「美味しい」のか?
例えば、フード右翼の極右と言われる「ジロリアン」に、半強制的にオーガニックやマクロビを食べさせたら、一ヶ月もしたら「美味しさに目覚めて」フード左翼に転向するのか?/自分は自他共に認める「フード右翼」だが、転向する・転向出来る気が全くしない
フード左翼論者の前提には「それなりの味覚を持ってる」というのが必要だと思う。オーガニックを食べて「美味しい」と感じる味覚の持ち主じゃないとダメ/フード左翼論者が考えるほどには、繊細な味覚の持ち主は世の中には多くないと思う
「フード左翼とフード右翼」、本の8割はフード左翼側の話だった/それはそれで面白いのだが、個人的には、むしろフード右翼、特に「フード極右」の分析を読みたかった。ジロリアンとかメガ盛りを巡回してるような人種のメンタリティ分析が読みたい
「フード極右」のジロリアン的行動インセンティブは、勿論第一には「美味しいモノを食べたい」だろうが、第二には「ブログやツイッターのネタにしたい」、そして第三には「フード左翼へのアンチ行為、露悪行為」という動機もあると思う
ジロリアンとかラーメン巡礼者の行動動機には、フード左翼的な、優等生的な食文化へのアンチ行為という文脈もあり、と同時に「栄養バランスを呼び掛けてる厚生労働省へのアンチ」な感情も加わってると思う
赤川学曰く「行政が国民のことを考えて啓蒙活動すると、国民側が素直に従うとは限らず、逆に『行政を困らせてやろう』という小学生的な逆行動を惹起する場合もあり得る」。通称「あまのじゃく効果」/フード極右の行動って、「正しい栄養学、健康学に対するあまのじゃく行為」という側面もあるのでは?
清く正しき栄養学からみたら、フード極右もフード極左も「困ったちゃん」なんだろうな。一方はメタボになり、一方は栄養失調になる/「栄養学的に問題あり」と呼び掛けても、聞く耳持たないのが極右と極左
フード右翼からフード左翼に「転向」する契機として最大の契機は「妊娠出産」だろうな/となると、非婚化、子無し化が進む日本では、フード左翼の将来は暗い
70年代、マクドナルドが藤田田で輝いていた頃は、マクドナルドは必ずしも「フード右翼扱い」はされてなかったと思う。むしろ今のスタバ的ポジション/間違っても、「○○○と、マックで女子高生が言ってた」というマック話法の舞台には、70年代のマックはなってなかった
ところで、今気付いたのだが、企業体としてのマクドナルドは、何故「複数ブランド戦略」を取らないのか?フレッシュネスバーガーとかスタバのような「フード左翼的なポジション」でも成功することが判るのなら、セカンドブランドとしてフード左翼チェーンを立ち上げればいいのに
くら寿司は「四大添加物を除去」とか「天然魚(地場魚)利用」という辺りはフード左翼っぽいが、キャッチフレーズの「食の戦前回帰」というのは、なんかリアル右翼を感じさせるギャップ