「後継者難清算は黒字企業が多い」のを知らないはてな民

11月4日
なんか「そんな中小企業は継承させずに潰せよ」というはてブのオンパレードで草。黒字なのに後継者いなくて清算になり、社会的損失、というケースは意外と多い / “後継ぎいない中小企業、127万社 政府、集中対策へ:朝日新聞デジタルhttp://htn.to/Grxm7Tc

「後継者難で廃業する中小企業」のニュースに、「そんな中小企業は延命させるな!」というはてな民が大杉。はてな民って、何だかんだで、大企業リーマンが多数派なんだな

因みに「後継者難廃業の中小企業の過半数は黒字廃業」らしい。でも大企業リーマンな「はてな民」は、「どうせ廃業中小企業の9割は赤字なんでしょ?」(だから延命させる意味ないんでしょ?)と無根拠に思い込んでそうだ

だから、「何故、黒字の中小企業でも事業継承がうまく行かないのか?」をとことん掘り下げて分析したほうがいい。言語化されない中小企業独自の強みとか人脈とかの承継が、うまく出来ないからか?

まあ、割と多い理由は「血縁者への事業承継にこだわってる」現経営者のスタンスに問題あるんだろうが

あと、世の中的に、こういう「中小企業のプロ経営者」という人材育成のシステムが存在しない、という問題もあるんだろう。

メガバンクとかで50歳になって本体から追い出されたような人材とかが、この手の「後継者難黒字中小企業のプロ経営者」に横滑りすればいいのか?彼等は財務諸表は読めるだろうが、果たして「経営」はできるのか?

これ前にもツイートしたが、今後継者難で清算される中小企業って、設立されたのは昭和40年代が多いと思う。当時の勤労者は、リーマンは多数派じゃなく、自営の方が多数派だから、起業の心理的ハードルは低かった

「農家」も一種の自営業だからね。商業自営+工業自営+農業自営を足し算すると、昭和40年代は自営はマジョリティだった

で、50年の歳月が流れるうちに、勤労形態は「サラリーマンがデファクトスタンダード」になってきた。それを今更「起業率を高めましょう、起業の新陳代謝を進めましょう」というはてな民の「理想論」を押し付けるのは無理がある

こういう「中小企業というハコ、社会的インフラを、税金使って維持しましょう」という考え方は、オールド自民党あたりの政策で、都市型大企業リーマンのはてな民からは「古い!」となる/しかし、そういう考え方は実は重要で、だから自民党は「しぶとく生き残っている」のです

11月5日
「何故、黒字中小企業の事業承継がうまく行かないのか?」という命題に対して「売上10億円未満の中小企業だと、M&Aコストが経費倒れになるから」というレスが返ってきた/それこそ、フィンテック無人AIによるM&Aマッチングの出番では?