ビジネス・経済ブレーク74・四半期決算・内部統制に意味があるのか

ビジネス・経済ブレーク74・四半期決算・内部統制に意味があるのか?
(なんでも掲示板 06年09月 投稿済)

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決算のための決算、四半期決算の功罪 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 9月13日(水)08時00分44秒


最近四半期決算だの内部統制だの、とにかく上場企業にいると
この手の作業が多い。
(この掲示板には上場企業社員が少ないので、皆さんあまり実感ないかもしれませんが)

果たしてそれが投資家にキチンと伝わっているのか以前から疑問だったが、
その疑問を取り上げたエントリ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20060911/109611/

>日本には上場企業が3900社弱あるが、証券アナリストが真面目に継続的に
>ウオッチしているのは、せいぜい500社に過ぎない。
東京証券取引所の1部上場1600社強でさえ、たった300社程度しかカバーされていない。

>20年前のアナリストは、当時の4大証券(野村、山一、大和、日興)では、
>1人で20〜30社を担当し、調査部全員で東証1部銘柄を網羅していた。
>投資家は、少なくとも4つの異なる分析と意見を参考にすることができた。
>それができたのには、もちろん理由がある。
>当時は、単独決算が中心であり、四半期決算もなかった。
>業績見通しが出されるのは年1回、アナリスト側から投資判断を示すこともなかった。
>深い分析は必要とされず、会社発表の計画や“会社四季報”に掲載されるような数字を盛り込めばよかった。

>現在はと言うと、四半期決算で次から次へと膨大な会社情報が吐き出されてくる。
>連結中心になったために、分析の視点も多様化、複雑化せざるを得ない。
>「売り」なのか「買い」なのか、明確な投資判断も求められる。
>アナリストの負担は恐ろしく重くなっている。
>必然的に1人のアナリストが担当できる会社数は減る。せいぜい10社強である。
>それ以上に手を広げると、競争力のあるリポートはとても書けない。

「投資家のため」の美名の下、証券取引法会社法ではさまざまな書類作成を会社に義務付けているのだが、
なんのことはない、分析に携わるマンパワーが社会全体で不足していたのである。

これではレポートを作成する会社のコストが無駄になる。
それはひいては社会全体のムダである。

以前から思っていたのだが、四半期決算って必要あるのか?
もちろん、投資家への情報提供を重視する会社は四半期決算を継続して全然構わないが、
コスト等を勘案して年1回決算を上場会社が選択することも認めてもいいのではないか?

投資家の側が、「ああこの会社は情報開示に不熱心な会社なんだ」と
「割り引いて」判断すればいいだけの話である。



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やめよう!四半期決算 投稿者:なかだ 投稿日: 9月13日(水)10時10分42秒
   編集済


大賛成!

>皆さんあまり実感ないかもしれませんが

いや、大いに実感している者がここにおります。




                                                                                                                                                              • -

内部統制もスゴイ 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 9月13日(水)19時38分41秒


なかだ様、レスどうもです。ご同情申し上げます。

個人情報保護法は稀代の悪法としてすっかり有名になった。
しかし、内部統制を定めた新会社法も負けず劣らぬ悪法である。

内部統制については、明白な基準が存在しないため、個人情報保護法で見られた
「過剰反応現象」が既に見られるようになってきている。

http://d.hatena.ne.jp/secondclass/20060731
>だから、どんなにガシガシ内部統制向けのアイティー投資を行ったり、
>ン千万のコンサル屋を何人も入れて十トントラック100台分の文書を揃えたところで、
>別のコンサル屋がやってきて状況を一目見るなり、
>「アンタのところは内部統制が出来ていない。俺がやってやるからン千万よこしな」
>と言われた時に、それに対して決定的に反証する手段は何も無いんですよ。
>「これなら内部統制が出来ている/出来ていない」を判断するための、
>外形的で誰が見ても明白な基準そのものが無いんだから。
>ある意味、言ったモン勝ちの世界ですな。

http://91260703.at.webry.info/200605/article_7.html
>内部統制=経営そのものとおっしゃった大学の先生がい
>るが、全くその通りだと思うが、それなら、国が法律まで
>関与して統制することはないと思います。
>経営に正解はないと思うのであるが、どうもこのJ-SOX
>答えを求めていると思いませんか?
>国が「ああしろ、こうしろ」というものでないはずです。

http://www.quickwins.co.jp/nucleus/index.php?catid=7
SOX-Vampire という人種がいるそうです。生態系は
>・サーバンスオクスリー法や内部統制が大好物で生活の糧としている
>・各フロアを徘徊し、「SOX違反だ!」と指摘して回る
>・内部統制の強化を名目に企業から際限なく資金と人的リソースを吸い取っていく吸血鬼

http://www.makino-law.jp/book/book.html
は未読ですが、どうやら新会社法の問題点を指摘した本のようです。

もとのコンセプトは
エンロンとか雪印とか三菱自とか、コンプライアンスを守らない企業が多すぎる。
 会社を運営するためのマニュアルを制定させ、取締役にマニュアルを遵守させよう」
という発想です。

さて、A不動産の土地購入マニュアルです。
「当社では、1億円以上の土地購入には社長の裁可が必要である」
で、B不動産の土地購入マニュアルです。
「当社では、10億円以上の土地購入には社長の裁可が必要である」

どっちが正しいのでしょう?

B不動産の株主が訴えました。
「B不動産は5億円の土地を部下が買ってしまい、会社に損失を与えた。
 このような高額の金額の土地を部下の一存で買わせる会社の
 マニュアルが不備なのである。(内部統制がなっていない)」

一見B不動産の株主の主張は正しそうですが、A不動産の株主にも言い分があるようです。
「A不動産は5億円程度の土地の購入にもいちいち社長のお伺いを立てなければ
 ならないので、土地の仕入れが緩慢で同業他社に負けている。
 これはマニュアルがキツ過ぎるのである」

もはやどちらが間違っている、と議論するのがナンセンスになります。
こんな漫才というか禅問答のようなことを本気で行うのが内部統制なんです。

※実際には社内決裁規程の瑕疵を株主が主張する、ということはないと思いますが。
 あったら大変だ。



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季節要因 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 9月13日(水)19時48分32秒


四半期決算に話を戻すと、季節要因がある会社の決算というのは、
クォーター毎に大きく異なります。

典型例がビール会社。
その他、ガス会社(冬が多い)、電力会社(夏が多い)、
晴れ着会社(成人式のころが多い)、チョコレート会社(バレンタインデーが多い)、
いろいろ思いつきます。

で、チョコレート会社の「4〜6月期決算」「7〜9月期決算」「10〜12月期決算」に
どれだけの意味があるのだろうか。