医療ブレーク32・産科不足問題「その2」

医療ブレーク32・産科不足問題「その2」
(なんでも掲示板 08年03月 投稿済)

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「セレブ出産」は死語? 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月10日(月)22時36分26秒

思い出したネタ。

今から数年前、「セレブ出産」という言葉が妊婦の間ではやっていた。
つまり、どうせ出産するなら豪華な産院で、という風潮があり、
少子化で経営維持に悩む産婦人科が、豪華さを競っていた。

・・・今ではこの言葉すっかり聞かないが、「セレブ出産」は
生き残っているのだろうか?

当時に比べて出生数は微減であるが、産婦人科医が激減しているので、
セレブ出産するような余裕がない、ということか。

つまり以前は「供給過多」(=産婦人科医過多)だったのが、
今ではすっかり「需要過多」(=妊婦過多、というより産婦人科医激減)ということだろう。

それでも、経済原理で考えれば、需要過多であれば供給がついてくるハズであり、
その供給が「ついてこない」のは、経済原理外の部分の要因が大きい。
つまり、福島県警の強引逮捕が、経済原理を破壊してしまったのである。
「いくらカネを積まれても、逮捕される産婦人科は真っ平御免」ということで
セレブ産院まで廃業してしまったのである。

やはり福島県警は「万死に値する」。


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日本で医師が少ない理由 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月10日(月)23時38分48秒


本当に医師が少ないかどうかは判らないのですが、とりあえず少ないとすると、その理由
として、医療が公定価格であることがあげられます。
つまり、需要側としては、医療にもっとお金を支出したいのに、公定価格であるために、
過小供給になっているということです。(経済学の初歩の需要供給曲線を思い出して下さい

では、その解決策ですが、公定価格を上げるというのがありますが、結局公定価格は
政府が決定するものであり、需要側の要求をきちんと反映していないという問題点があります。
そこで、公定価格制度を廃して、自由診療制度にするのです。
こうすれば、需要の要求に応じたレベルまで医療=医師は供給され、医師不足は解消
されます。
ただし、国民皆保険制度は必然的に医療費を公定価格にする必要がありますが、
自由診療制度になると、これが崩れるので、国民皆保険制度は崩壊します。
すると、国民は、個々の判断で、民間の医療保険会社に加入することになりますが、
生まれつきからだが弱かったりすると、加入が拒否されることもありますし、
実際米国では15%が無保険状態であり、これらの方々が病気になると悲惨です。
(まあ、お金を持っていない人がどんなに要求しても、それは需要とは言わない。)

さて、どうしますかね?
リクルートの江副氏は、国民皆保険制度の撤廃を主張しています。
金持ちで健康に自信があるのなら、それでいいのですが。

 


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re日本で医師が少ない理由 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月11日(火)00時46分57秒


>本当に医師が少ないかどうかは判らないのですが、とりあえず少ないとすると、その理由
として、医療が公定価格であることがあげられます。

医大の定員削減が原因じゃないですか?
医大入学への需要は多いのに定員が決まっている。
定員倍増して10年もすればある程度医者不足は解消されますよ。

 


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Re: 日本で医師が少ない理由 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月11日(火)06時50分43秒


> 医大の定員削減が原因じゃないですか?
> 医大入学への需要は多いのに定員が決まっている。
> 定員倍増して10年もすればある程度医者不足は解消されますよ。

いや、能力の低い医者が増えても何の解決にもならないのですが。
国家試験のレベルを維持したら落ちる人が増えるだけですし。
医者になる能力がある人が医学部に進んでくれないのが問題なわけで。

やっぱお金?

 


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Re: セレブ出産 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月11日(火)07時01分16秒


> ・・・今ではこの言葉すっかり聞かないが、「セレブ出産」は
> 生き残っているのだろうか?

「セレブ出産」で検索するとそれなりにブログがひっかかりますね。
当たり前のことはニュースで流れないだけかもしれません。
そういう意味では「死語」なのかも。

 


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医師不足:やっぱお金? 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月11日(火)22時32分16秒


お金を出せば、出さないよりも良くなるでしょうが、問題は出し方でしょう。
下手な出し方をすると、ヒマな高齢者が、急病でないのに病院を占領して、そっちにお金がいくだけになります。高齢者の皆さん御免なさい。
医療費を公定価格にすると、需要に応じた医療が供給されないという批判があります。
そこで、完全な自由価格にすれば、深夜や難しい疾患について高額の医療費が市場価格で
供給され、現在の医師不足は解消するということです。
ただし、まさに自由価格と皆保険制度の解消が前提となります。
貧乏で医療費が払えない人間が医療サービスを受けたくても、それは経済学では需要と
言いません。
米国医療はまさにこれなんだよなあ。さすが、資本主義の母国

 


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医学部 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月11日(火)23時49分23秒


>国家試験のレベルを維持したら落ちる人が増えるだけですし。
医者になる能力がある人が医学部に進んでくれないのが問題なわけで。

国家試験の大学別合格率順位を見たことあります?
あまり有名な大学じゃなくても合格率高いところ多いですよ。

医者になる能力がある人って何?
手先が器用な人?それとも人当り良くて患者さんから高感を抱かれる人?
それとも研究熱心な学者タイプ?
そんなの大学入試時点では未知数でしょ。

 


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Re: 医学部 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月12日(水)01時33分18秒


> 国家試験の大学別合格率順位を見たことあります?
> あまり有名な大学じゃなくても合格率高いところ多いですよ。

え、ブランド志向? 重要なのは出身大学じゃなくて技量でしょ?

> そんなの大学入試時点では未知数でしょ。

ってご自身で書いてるじゃないですか。

> 医者になる能力がある人って何?

医者になれるまで勉強を続けられる人。そういう意味でも
お金の問題なんですよね...

 


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大野病院事件ショック 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月12日(水)21時36分14秒


>「セレブ出産」で検索するとそれなりにブログがひっかかりますね。

「セレブ出産」でヒットした記事を見ると、2005年以前と思われる記事が多いようですが。
最新ブログに強いテクノラティで「セレブ出産」を検索すると、
9件しかヒットしません。

いわゆる「大野病院事件」以前と以降で、このワードの出現率を統計してみたら、
明確に段差が現れると思うのですが、そのような統計はないのでしょうかね?

 


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Re: 医学部 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月14日(金)00時17分45秒


>> 医者になる能力がある人って何?

>医者になれるまで勉強を続けられる人。そういう意味でも
お金の問題なんですよね...

分かりづらいな。つまり医学部の定員増やすと被富裕層の
学生が増えて、結果ろくな医者になれないってことね。
だったら最初からそういえばいいのに。

 


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Re: 医学部 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月14日(金)00時37分50秒


> 分かりづらいな。つまり医学部の定員増やすと被富裕層の
> 学生が増えて、結果ろくな医者になれないってことね。

そういう短絡的な話じゃなくて、奨学金制度の充実とか、
6年間医者向けの教育をして国家試験に受からなかった時の
リスク回避とか、もっと総合的な話です。
後者は教職課程なんかにも言える問題ですね。

 


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レス 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月14日(金)00時57分32秒


ところで、医療費については、私は、皆保険制度を廃止し自由価格制度にすることを
提案したのですが、お二人とも別の方向に行ってしまっているようですね。
やはり、皆保険制度廃止は、日本人は拒否感が強いですかね。でも米国ではそうです。

 


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黒田節 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月14日(金)01時14分22秒


> ところで、医療費については、私は、皆保険制度を廃止し自由価格制度にすることを
> 提案したのですが、お二人とも別の方向に行ってしまっているようですね。

そのへんは現状でも「保険外医療」ってのがあるので、そっちで
吸収できないかなと。極端な話、自由価格制度の国に行って
治療するとか(たまにそういう意図の募金してますよね)。

 


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マイケルムーアの映画 投稿者:白樺熊男 投稿日:2008年 3月14日(金)06時43分23秒
   編集済


>皆保険制度廃止は、日本人は拒否感が強いですかね

去年マイケル.ムーアの「シッコ」という映画が日本で上映されました.
ブログなどではシッコをみて、アメリカの医療が悲惨であると思った人も多いようです.
シッコではアメリカの医療とアメリカ以外の数カ国の医療が紹介されたからです、
だから、自由価格制度に抵抗感がある日本人がいると思います

 


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(無題) 投稿者:ぷらら 投稿日:2008年 3月14日(金)13時51分31秒


>> 国家試験の大学別合格率順位を見たことあります?
>> あまり有名な大学じゃなくても合格率高いところ多いですよ。
>え、ブランド志向? 重要なのは出身大学じゃなくて技量でしょ?
一部の私立大学では、医師国家試験で予備校体制で、がむしゃらにやるそうです。
また京都大学では、学内は完全に放任主義なため、合格率が低いそうです。
東京大学では、教養課程が2年と長く、ほかの国公立にくらべ、1年医療に関する勉学期間が少ないようで詰めて勉学することから、合格率がほかの国公立大学比べ高いそうな。
どれがよいかはまさに一長一短で比較することはできないでしょうね。

どうやらこのことは、裁判員制度の導入にも同じことが言えるみたいです。有能な(というより精神的にまともな?)裁判官が減ってきているようで。やはり、精神的にきつい職業なんですかねぇ。

医科学生関係のオケに結構賛助出演する機会が多いので、土木専攻ながらこういった情報を耳にしてしまいます。

 

 


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医療費! 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月15日(土)12時36分48秒


医学部制度とか、大事かも知れませんが、本論からずれている気がしますが。
本来の医療費について、自由価格制度にすることの是非はどうですか?
政府が医療という財の流通や価格に関与しなくなれば、医療(医師)は適切に配分され、
医師不足は、患者が喜んでお金を出すでしょうから、解消するという意見は何故ダメ
なのですか?

 


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re医療費! 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月15日(土)22時11分36秒


医師不足は、患者が喜んでお金を出すでしょうから

医師不足は賃金の問題なんですかね?まず医師試験を受ける資格のある
医大生の絶対数が足りないのではないでしょうか?

>本来の医療費について、自由価格制度にすることの是非はどうですか?

アメリカを見ると成功してるのか疑問です。
たしかに医者や看護師の待遇は良くなるでしょうけど。

 


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私立大の定員って 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月15日(土)23時05分18秒


勝手に増やしちゃいけないんですか?

定員割れする大学ってありますよね。
ああいうの罰せられるんでしょうか?

 


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れ:定員 投稿者:まる 投稿日:2008年 3月15日(土)23時52分2秒


定員は勝手には増やせなかったと思います。
認可だったか、届出だったか定かではないが、たぶん前者だと。

私大は定員割れすると、補助金を減らすとかいってました。

最近は国立大学の場合、定員を超えて入学させた場合も
一定割合を越すと、補助金減らされます。超えた分の授業料相当額。

 


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医師と弁護士 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)00時32分47秒


弁護士は人数を随分増やすようですが、現在も弁護士として活動できない人がでても
別に行政は関わりません。ロースクールの授業料は無駄になりますが。
医師もそうです。まあ、勤務医がありますが。
さて、医師の場合、教育に多額の国費が投入されるため、育成に行政が関わる必要がある
という指摘がありますが、これを完全にマーケットに任せられませんかね?
教育への国費投入は止め、高額となる授業料は奨学金貸与にして、長期で返済してもらうとか。そうして、医学部設立は医療技術さえ教育できれば認可することとし、総量規制を止めるのです。そうすれば、行政が関与せずに、マーケットで医療サービス供給は適切に
行われるのでは。

ところで、
アメリカを見ると成功してるのか疑問です。
成功していない点は?
>たしかに医者や看護師の待遇は良くなるでしょうけど。
不足する財は価格を上げれば供給が増えます。

 


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人材育成を自由市場に任せるべきか 投稿者:まる 投稿日:2008年 3月16日(日)01時01分57秒


>>これを完全にマーケットに任せられませんかね?
>>行政が関与せずに、マーケットで医療サービス供給は適切に
>>行われるのでは。

数年のスパンで需要と供給が調節する自由経済と違って
(この場合は人材が業界を移動して底辺層が失業する)
数十年単位の計画が必要な人材の育成、供給を自由マーケットに
任せるのはいかがなものかと思います。

私立大学医学部と国立大学医学部の授業料格差には問題があると
考えますが。
私立大学医学部に国費を投入して授業料を安くすれば、国立大学医学部と
同等の能力のある学生が集まってくるのではないかと。

かなりの私立医学部学生は、そもそも医師国家試験に合格するだけで
精一杯で、正直言って、専門性の高い医師にはなっていないような・・・。
縫うのがうまいとか、脱臼治すのがうまいとかはあるようですが、
でも、私が思うに、学力レベルが低い人は、気管挿管ができないとか
神経ブロック注射ができないとか技量面でも劣っていることが
多い気がしますな。

学力と医師の能力は関係ないという議論がよくされるのですが、
医師にはやはり医療技術、診断技術を理解するための最低限の
学力はやはり必要でしょう。

適切な処置法を「専門医に任せる」と答えたり、超音波と電磁波の
区別が怪しかったりと、医師にもいろいろですから。

 


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行政関与は最低限に 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)01時12分12秒


>数十年単位の計画が必要な人材の育成、供給を自由マーケットに
>任せるのはいかがなものかと思います。
うーん。弁護士や技術者、看護士、等々も長期的視点が必要だと思いますが、
何故医師とは別なのでしょうか。医師はコストが大きいとは思いますが、だから行政が
関与するというのは理論的ですかね。
経済学の教科書を見ると、需要は国ではなく民間が完全に把握できると書いているので。
むしろ、医学部は全部私立にするのが合理的らしいのですが・・、どうも納得いかない。

>適切な処置法を「専門医に任せる」と答えたり
100点!ではなくて・・・
ちなみに、あるドーム球場で宣伝をしている歯科大学では、学生が漢字をろくに書けないと
全国紙が取材して報道していました。(よく取材させたなあ。)
そこの付属病院で治療を受けるという肝試しの仲間を誘っています。

 


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re医師と弁護士 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月16日(日)01時16分52秒


>さて、医師の場合、教育に多額の国費が投入されるため、育成に行政が関わる必要がある
という指摘がありますが、これを完全にマーケットに任せられませんかね?

そうなると他の学部だけ優遇するわけにいかないので
大学は奨学金でとなりますね。
反対ではないですが、高額の授業料を奨学金にすると
無給に近い研修医時代は返済できないので、この辺の制度も変える
必要が出てきますね。

>行政が関与せずに、マーケットで医療サービス供給は適切に
行われるのでは。

それは医師会が許さないでしょう。
政治家がもう少し勤務医にお金を回すべきなんですけど
開業医は強いですから、それすら出来ません。

>ところで、
>>アメリカを見ると成功してるのか疑問です。
>成功していない点は?

あまりにも医療費が高騰していることです。
医療技術が進歩するほど、治療費は高騰します。
軍隊のハイテク兵器と同じですね。

どうして病院間で競争が起こり、価格メカニズムが
働かないかは分かりません。
アメリカも医師不足なのでしょうか?
看護師は海外から募集してるみたいですけど。

 


                                                                                                                                                              • -

re人材育成を自由市場に任せるべきか 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月16日(日)01時28分30秒


>かなりの私立医学部学生は、そもそも医師国家試験に合格するだけで
精一杯で、正直言って、専門性の高い医師にはなっていないような・・・。

専門性の高い医師ももちろん必要ですけど、偏差値レベルが低くても
人間性の評価できる医師も必要だと思います。
ただし金のある医者の息子が入るようなレベルの私大は別ですが。

これは一般論ではなくただの体験談ですが、名誉教授の称号のついた
先生(おじいちゃん)に診てもらったとき、私が呼ばれて中に入ると
医療に関係のない冊子を見ていて、私が座ってからカルテを見始めたのには
呆れました。

それと上から口調の医師もだめですね。
いくら専門性があるプロでも、患者をあしらうようなタイプは
名医とは言えません。

 


                                                                                                                                                              • -

 

医療問題 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)01時47分8秒


少子化対策さんの医師への御意見は、医療費を自由化したら実現するのでは?
>あまりにも医療費が高騰していることです。
それは悪いことですか?市場原理が動いているのなら、それはそれだけの需要が
あるということです。
健康に高い価値を米国人は見いだしているというわけで、別に問題ではないのでは?

 


                                                                                                                                                              • -

医療問題の追補 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)01時51分42秒


日本で医療費が安いということは、本当は医療サービスへのもっと需要があるにもかかわらず、
政府が何からの判断の失敗で、市場に任せるよりも過小の支出しか医療に対して
行っていないという可能性があります。
つまり、日本人は、もっと医療に価値を見いだしているのに、政府がその需要が実現
しないように働いているのでは?なら、米国は日本よりも上手くいっているのでは?

 


                                                                                                                                                              • -

元々の問題提起は 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月16日(日)09時55分30秒


何か医療問題は、小生の議論提起と違う方向で盛り上がってしまった・・・

小生の問題提起は、
何とか体制が維持されていた産婦人科医療が、見るも無残にメルトダウンしてしまったのは、
経済原理と異質の「刑事罰」を持ち込んだ福島県警の罪ではないか、ということです。

医師数の不足だの医師国家試験の合格者数だの奨学金の問題だの
自由価格診療の問題などとは、全く別の観点の問題提起。

たとえ自由価格診療でうまくいっても、医師供給システムを公費で負担しても、
つまり厚生労働省側が万全の政策を実施しても、
「医療行為に対して業務上過失致死を適用する」という警察側の考え方を
変えてもらわなければ、結局医療は破壊されるのです。

つまり、厚生労働省サイドの問題ではなく、国家公安委員会
ないし法務省の問題です。

 


                                                                                                                                                              • -

だから本来議論して欲しかったのは 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月16日(日)10時03分24秒


アメリカとかEUとかでは、医療行為に対して
業務上過失致死での立件がどの程度あるか、あるいは
海難事故や航空事故のような第三者機関により医療過誤をチェックしているのか、
そして捜査機関による、医療行為への行き過ぎた介入により、
現場に萎縮効果が発生しているような事例が諸外国では有るか、という点を
議論して欲しかったのですが・・・

今の産婦人科の崩壊の原因は、私見では
「30%は医師の絶対数の不足、報酬体制の不備」が原因ですが、
「70%は警察の過介入による萎縮効果」が原因と見ています。

「30%」の部分を改善しても、警察側が従前どおり医師に対して
刑事罰をちらつかせるようでは、現場の萎縮効果は残されたままになり、
結局「70%」が改善しません。

 


                                                                                                                                                              • -

re医療問題の追補 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月16日(日)10時34分46秒


少子化対策さんの医師への御意見は、医療費を自由化したら実現するのでは?
>>あまりにも医療費が高騰していることです。
>それは悪いことですか?市場原理が動いているのなら、それはそれだけの需要が
あるということです。
健康に高い価値を米国人は見いだしているというわけで、別に問題ではないのでは?

途上国ではHIVに感染した場合、正規品は高くて買うことができないので
政府が知的所有権を無視して複製品の製造を許可してます。
当然高額の研究費を投じた欧米企業は抗議しています。

これは難しい問題です。企業論理だと利益を追求するのは当然です。
高額な研究費を回収しなければ会社は回りません。
一方で生死に関わるわけですから倫理的な問題でもあります。

これは途上国の問題ですがあじあ号さんは
医療の倫理点はどうお考えですか?
イギリスでは低所得者向けの公設病院はろくな設備もなく
手術予約に物凄く待たされるようです。
医療は市場原理でいいのでしょうか?


それとあじあ号さんの理論でいくと農業も自由化すべきだとなりますが
そのようにお考えですか?それとも聖域にします?

 


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HIVは 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月16日(日)11時02分26秒


キチンと製薬会社に薬価を支払うのがスジであり、
その出処は途上国ではなく先進国側のODA予算の増額で賄うべきでしょう。

日本などは、一時期世界一のODA支出国だったのが、今ではイギリスに抜かれ3位、
そしてドイツフランスに抜かされるのも時間の問題らしい。

ユーロ高円安、という面もあるので絶対額だけで単純に論じられないが、
実に情けなく嘆かわしい。

 


                                                                                                                                                              • -

 

医療と市場 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)14時42分18秒


少子化対策さんの問題提起は、複数の問題を含んでいるので、回答しにくいのですが。
エイズの治療薬の話は別にします。というかスルッとKANTOさんの掲示に同感です。
日本の医療への政府関与は、1医療サービス価格統制 2皆保険制度 他があります。
1があるために、供給過小=医師不足になるのでは?としているのですよ
 (詳しくはマクロ経済の教科書みてね)
今回の議論からずれますが、医療費が高くて病院に行けない事態を防ぐのは、2ですね。
皆保険を解消して良いのか、判らないのですが、2の実行のために1の制度が必要という
点があり、参っています。皆保険制度がなくても、困らない制度があればいいのですが。
何かないですかねえ。

農業が聖域なんて言えませんよ。例えば、養蚕は保護してません。
BSEや餃子の問題で議論になったのは、外国産食品でも、きちんとそう表示すれば、
危険かどうかはここの消費者が判断できるので、別に政府がその安全性に関わる
必要はないという議論です。
食料の安全保障なら、個々の消費者の判断に任せられませんが、個々の食品の安全
なら、個々の消費者に判断を委ねられるのではということです。
露骨に言えば、安かろう危なかろう食品を食べて死んでも、その選択を否定すべき
ではないということです。先月号の論座での駒沢大学経済学部助教授主張の趣旨です。
こういうと怒る人がいるでしょうが、古い耐震性の弱い家屋に住んでいる人が結構
いますが、地震になったら危ないでしょう。でも、政府は居住禁止をしていません。
これは、危ないが安い食品を流通させているのと同じでは?

医療の市場原理(国内の自由化)と農業(国際化の可否)は問題が別では?

 


                                                                                                                                                              • -

医療と警察 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)14時52分29秒


医療事故について、医師側からのコメントを読む機会がありますが、違和感を感じる
ことが結構あります。
ある医学部助教授は、「世界や日本最高の医療技術者以外は、逮捕されるとは不当だ」
とか、「刑法学はドイツ観念論から来ており、マルクス主義と同じで危険だ」とか
叫んでいます。
後者は、そんな本本当に読んだのか疑問ですが、前者は、果たして刑法学者
や警察検察はそんなことを主張しているのか疑問です。
この問題についての医師側コメントは、警察検察が言ってもいないことを、言っている
かのように思いこんで批判している感じがします。

 


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英国の医療制度 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月16日(日)15時08分58秒


ちなみに、英国の医療制度はすばらしい!という論者もいます。
小生が仕事で調べた限りでは、相当問題があるようですが、医療制度の国際比較を
する人は、論者によりある国を褒めたり批判したりして、議論にブレがあって困ります。

 


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reHIVは 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月17日(月)23時26分18秒


>キチンと製薬会社に薬価を支払うのがスジであり、
その出処は途上国ではなく先進国側のODA予算の増額で賄うべきでしょう。

製薬会社の言い値で薬価を決めると莫大な額になりますよ。
どこの国が資金を提供するのか、そう簡単には行かないでしょう。

>日本などは、一時期世界一のODA支出国だったのが、今ではイギリスに抜かれ3位、
そしてドイツフランスに抜かされるのも時間の問題らしい。
>ユーロ高円安、という面もあるので絶対額だけで単純に論じられないが、
実に情けなく嘆かわしい。


日本のODAは世界に誇っていいと思います。

アメリカの援助の半分くらいはイスラエル
兵器が主です。その他、エジプトであったり、パキスタンであったり
アメリカの戦略で重要な国に兵器や石油や食糧、薬品なんかを
現物支給しているだけです。

それに比べて日本は受け手の国の要望を受け入れてインフラ整備に
格安の資金を援助する。
しかも技術支援を合わせて行う。
その国が自律できるような仕組みなのが日本の援助です。

 


                                                                                                                                                              • -

 

re医療と市場 投稿者:少子化対策 投稿日:2008年 3月17日(月)23時41分3秒


>日本の医療への政府関与は、1医療サービス価格統制 2皆保険制度 他があります。
1があるために、供給過小=医師不足になるのでは?としているのですよ

医師の場合は価格統制があるために廃業が相次いでいるわけでは
ありませんから、その前提はおかしいのでは?
新規参入や撤退の相次ぐ業界(自由化されている業界)ならば
経済の原理が働くでしょうけど、今は決められた定員なんですから。

医療サービスの価格が自由になっても大学の定員を自由化しない限り
医師不足は変わりませんよ。

>医療の市場原理(国内の自由化)と農業(国際化の可否)は問題が別では?

医療を市場原理の働くサービス業と考えるのは違うと思います。
医療の場合は倫理的な点が大事ではないでしょうか?
極論でいうと心臓移植順番のオークションとかあったらどう思います?

 


                                                                                                                                                              • -

憲法25条 投稿者:白樺熊男 投稿日:2008年 3月18日(火)00時50分37秒


>医療の場合は倫理的な点が大事ではないでしょうか?

それに加えて憲法25条の精神から考慮する必要があると思います
憲法25条では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」となっています.
もし貧乏人が医療を受けることが出来なくて、健康的な生活を送ることができないのであれば、憲法25条の精神に反すると思います.

 


                                                                                                                                                              • -

最低限度はどのくらいか 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月18日(火)06時30分32秒


憲法第37条の3
 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。
 被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

こっちは憲法ではっきり規定されてるんですけどね。
医療費て、かけようと思えば際限なくかけられますし...

 


                                                                                                                                                              • -

日本のODA 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月18日(火)21時42分6秒


> それに比べて日本は受け手の国の要望を受け入れてインフラ整備に
> 格安の資金を援助する。
> しかも技術支援を合わせて行う。
> その国が自律できるような仕組みなのが日本の援助です。

外務省のページにこんなものが。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/hanashi/sekai/asia/china2.html

これは本当に中国のためになるんだろうか...

 


                                                                                                                                                              • -

 

湖南省平江県母子保健院救急センター入院病棟建設計画 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月20日(木)00時09分31秒


えーと、くろださん。これって中国の役に立つように直感的には思いますが。どこか変ですか?

 


                                                                                                                                                              • -

政府の失敗:低い公定価格設定による供給過小という問題を解決する 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月20日(木)03時02分16秒


あじあ号掲示
>医療サービス価格統制があるために、供給過小=医師不足になるのでは?
 としているのですよ

少子化対策さん掲示
イ医師の場合は価格統制があるために廃業が相次いでいるわけでは
ありませんから、その前提はおかしいのでは?
ロ医療サービスの価格が自由になっても大学の定員を自由化しない限り
医師不足は変わりませんよ。

イですが、医療サービスの価格が上がれば、同じサービスをするのでも、多くの医師
や看護婦を付けるなりして、現在の医師の過労状態を解消できるのでは?
小児科医不足の理由は過労だと言われていますので。
ロそこで、すでに掲示したように、現在行われている医学部の定員調整を
廃止して、一定の基準を満たせば、幾らでも医学部を造って良いことにするのです。
あとは、市場の需要をみながら、各私立大学医学部が、医学部定員を調整します。
授業料は、貸与で措置しましょう。
ただ、まる先生は長期的計画で医師は要請すべきとされますが、うーん、どうなんでしょう。
それを言い出したら、医師以外のプロも同じことは言えてしまう様な気がしますが。

 


                                                                                                                                                              • -

 

Re: 湖南省平江県母子保健院救急センター入院病棟建設計画 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月20日(木)06時14分21秒


> えーと、くろださん。これって中国の役に立つように直感的には思いますが。
> どこか変ですか?

中国の人口、これ以上増やすは中国のためになるのでしょうか。

 


                                                                                                                                                              • -

 

医療の性質 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月20日(木)12時25分43秒


>医療の場合は倫理的な点が大事ではないでしょうか?
直感的にそういう意見はあるかと思いますが、厚生行政に関わって、実はそういう
面は現行法制上、余りないことが判りました。
例えば、医療費は原則自己負担です。皆保険制度があるので余り意識しませんが、
外国人が日本で病気になったら大変な医療費がかかることがあります。
また、私立病院も自己責任経営です。もちろん、税制等優遇はあるらしいですが。
>極論でいうと心臓移植順番のオークションとかあったらどう思います?
難しいですね。実際、途上国への臓器移植ツアーがあるらしいです。
死にそうな人に、止める勇気ありますか?

 


                                                                                                                                                              • -

 

日本は規制が少ないと書きましたが 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月28日(金)07時55分45秒


こんなアホな規制が残っていたのでは、規制大国だな・・・

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080327-OYT1T00819.htm?from=top

>産科医不足で、全国の産科医療機関が相次いで閉鎖されるなか、厚生労働省は、
>現在診療を受け入れている産科医療機関の能力を最大限に活用するため、
>地域ごとに設定されている病床の上限数から、産科病床を例外的にはずすことを決め、
>27日、各都道府県に通知した。
(中略)
中部地方の産科医院では周囲の病院が医師不足などで産科を閉鎖したため、妊産婦が殺到。
>増床を申し出たが、県はこの地域がすでに基準病床数を超えていることから認めなかった。
>今回の決定を受け、同医院では「今までベッド数が足りなくて、受診制限をせざるを
>得なかった。増床が認められれば、もっと多くの妊婦が受け入れられる」と話している。

マスゾエには「ネズミを取りさえすれば黒猫もいい猫だ」とハッパを
かけたが、こんな規制を今まで残していたこと自体、猫としての資質が
疑われる。

 


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産科病床数は規制されていない 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月28日(金)10時12分52秒


http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080327-OYT1T00819.htm?from=top
の記事中にある、なぜか引用時に略された部分。

> 医療機関の病床数については、医療法により各都道府県が地域ごとに必要な基準病床数を設定。
> この基準より実際の病床数が多いベッド過剰地域では、新たな増床は原則として認められない。

総量規制なんですから、産科の病床が少ないのは各病院がそういうふうに割り当てた
せいなんですけどね。

まあ、妊婦寝かしとくだけの病床を増やすためには、地域密着の産科が壊滅したって
しょうがないですよね。なにしろ少子化対策のための規制緩和なんですから。
駅前通りの商店街が壊滅した原因の、大店法規制緩和という前例もありますし。

 


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体調不良で寝込みました 投稿者:あじあ号 投稿日:2008年 3月28日(金)14時03分27秒


そのため、昼間から自宅でパソコンたたいています。
・病床規制ですが、北海道と高知県は一人当たり医療費が高いとのことですが、
その原因として、前者は冬季に患者を自宅ではなく病院に置きたいという社会的入院
後者は、病床が多いことが上げられています。
つまり、病人がいるから、病院が造られるのではなく、病床があるから患者が来る
という変な因果関係があると行政当局は理解しています。
何でこんなことになるのでしょうか?病院に行って楽しいのかね?

それはともかく、医療費増大抑制もあり、このような規制があります。
他にも理由はありますが。

 

 


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きょうの朝7時のNHKニュース「おはよう日本」 投稿者:くろだ 投稿日:2008年 3月29日(土)08時08分14秒


岡山大学で、結婚や出産で辞職した女性医師の復職プログラムを
 文部科学省の予算で実施しているそうです。
 医学部の定員を増やすより確実な医師補充策ですね。