科学算数ブレーク9・異常気象と平均気温の正しい見方

科学算数ブレーク9・異常気象と平均気温の正しい見方
(旧ブレーク103)
(なんでも掲示板 00年11月 投稿済)

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明日(2000年11月2日)の和歌山の最高気温は、29度だそうです。
予報が雨で、この気温。11月にして、まさに異常気象です。

ところで、「平均気温」は過去30年の平均だって、知っていましたか?
つまり現在なら1970年〜2000年の平均との比較になります。
1990年なら1960年〜1990年の平均との比較です。
ということは、徐々に気温が高くなっている場合、1990年頃の「平年比+1度の暖冬」
という場合と2000年頃の「平年比+1度の暖冬」という場合、より深刻なのは
2000年の方です。

なぜ過去30年間平均か?と言えば、気候は長期的に変動している為、長い期間の
平均だと却って不都合、との考えからです。
つまり、縄文時代は暖かかったり、弥生時代は寒かったり、フランス革命の頃は
寒かったり(革命の遠因にもなった)、という変動があるのです。
過去30年の平均、とすることで、こういう超長期的変動の影響を免れる、ということです。

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よく「965ヘクトパスカルの台風」と呼んでいますが、あの中心気圧は、実は推測値です。
雲の状況等から「これなら恐らく965ヘクトパスカル位だろう」と推測して発表しています。
ですから、実際の気圧は970ヘクトパスカルかも知れないし、960ヘクトパスカルかも知れない。

また、今でこそ、台風は発生した時点から常に監視できてますが、気象衛星が出来る前は、
台風の存在は陸地でしか観測されなかった。
もしくは鳥島や大東島のような離島や、遠洋漁船からの情報に頼っていたのです。
そのころは「事前の情報もなく、いきなり上陸」なんていうケースも多かったのです。
もっとも、古老の漁師などは、長年のカンで、「海の様子がオカシイ。
台風が接近しているんじゃないか?」と判るのでしょうが。

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