ブックオフが文化財を破棄する?

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http://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20060925#1159163705
が熱い

>以下はかつて同社の某店舗に勤務していた私の実体験である。
>今から十年ほど前、日にちは忘れた。暑い夏の日だった。
>大量に古本があるので引き取って欲しいという電話を受けて、
>東京郊外にある、取り壊しの決まった古い集合住宅に出かけていった。
>呼び鈴を押すと老夫婦に出迎えられた。奥様が冷たい麦茶をすすめて
>くださったのを覚えている。
>ご主人が「戦死した兄の遺品でしてね」と言いながら段ボール箱を持ってこられた。
>開けてみると、そこには茶色に日焼けした改造社文庫がずらり、
>そのほか社会科学関係の単行本も、あわせて四五十冊はあったろうか。
>すべて戦前の発行物である。
>本来ならよだれの出そうな、宝の山を目の前にして、私は畳に手をついて詫びた。
>「たいへん素晴らしい蔵書で拝見できるだけで眼福でございますが、
>残念ながら当社の基準ではすべて廃棄せざるをえません。
>お手数とは存じますが、神田神保町の専門店にでもお持ちください。」
>年寄りなので神田まで荷物を持っていけない、あの世まで持っていけないからというご夫婦に、
>それならば電話帳を拝借、といって地元で唯一きちんとした古書を扱っている古書店
>番号を探し出して、こちらならば引き取ってもらえると思います、と申し上げて退出した。

ブックオフ
「素人でもマニュアルに従って価格付け」
「本の中身の価値は無視。外見の美しさのみ評価する」
という仕組み自体は、批判されるべきではない。
立派なビジネスモデルである。

問題なのは、
「貴重な文化財であっても、保有している人にその価値が理解されない場合には
 文化財は破棄される危険性がある」ということである。

再三言うように、相続の形態として
被相続人→子孫」のパターン以外の
被相続人→兄弟」のパターンが急増している。
私見では兄弟から法定相続権を剥奪すべきだと思うが、それは兎に角として、
子孫であれば「形見」として大事に取り扱う(少なくとも神田の古書に掛け合う)ような
貴重な蔵書コレクションであっても、
同居もしていない兄弟のモノであれば「厄介者」として、
良くて「ブックオフ」、悪ければ「可燃ごみ」として
処分されるケースが増えてくる。

対策としては、やはり葬儀業者内に「遺産の目利き人」を配置して、
故人の遺品内に貴重なコレクションがあった場合には公営図書館にコンタクトする、
というようなルート作りが急がれるのではないか?(矢祭町のケースのように)