【6月14日→7月17日 名古屋ネタ】

6月24日
★名古屋の本を読んだが「伊勢湾は水深が浅かった為に造船業が発達しなかった」とあった。木曽3川の影響で、水深が浅かった、と言うことだろう。関東大震災まで東京に本格的港湾がなかったのと同じ理屈
★しかし仮に造船業が名古屋で盛んだったとしたら、造船不況の嵐が名古屋を直撃したかも。名古屋にとっては、造船業に不向きだった→陸上輸送機械や航空機械に「選択と集中」出来た、という意味では、幸いだったかもしれない
★また、「名古屋は国内産炭地から一番遠かった」と言う指摘もある。北海道九州は産炭地そのもの。実は東京も常磐炭田から遠くない。大阪は宇部炭田と瀬戸内航路で直結してる
★だが、「国内産炭地から一番遠かった」為、名古屋には「石炭に依存しない産業構造」になった。エネルギー革命の結果、名古屋の石炭レスな産業構造は、逆にプラスに働いた。元々ハンディだった地理的要因が、逆にプラスになった。
★「名古屋元気な100社」と言う本を借りて読んだが、これが実に内容が濃い。カンブリア宮殿を100回見たような濃さ/こういう観点で「大田区元気な100社」「板橋区元気な100社」「東大阪元気な100社」と言う本があってもいい
★「日本の地方財閥」と言う本のネタだが、「農地解放で大地主は居なくなった」が、「山林解放」と言うのはなかった為、所謂「山林王」はほぼ無傷のママ、戦後も君臨したらしい
★地方財閥の本を読んでるが、明治期の名古屋の資本主義化の傾向が面白い。伊藤家、岡谷家、瀧家などの富豪が共同発起人になり、尾張徳川家当主を「お飾り社長」に迎えて、銀行・紡績・保険・電灯・鉄道などを産業化。尾張徳川家と言う「求心力」「象徴」がいたから、ライバル富豪が協力する
★東京・京都・大阪でも、いろんな名士が産業興したが、各自がてんでバラバラに事業興す。「地方当主が富豪の求心力になった」例は名古屋しかない。大阪は当主不在だし、京都は当主に逃げられたし、東京の当主(天皇)は事業の中心に据えるにはあまりにも畏れ多い
★かつて名古屋財界を牛耳った「五摂家」企業は、すなわち尾張徳川家の取り巻きファミリーに関係する企業。だから、徳川家取り巻きとは関係ない「世界の山ちゃん」、もとい「世界のトヨタ」は「三河もん」として財界では外様
★「名古屋が保守的・排他的」という言説があるが、理由までキチンと説明されたことがない。江戸時代の尾張徳川家支配のみならず、明治〜昭和の「尾張徳川家を象徴当主として、各富豪が団結して産業化」と言う名古屋独自の資本主義構造に原因があるような気がする