【マンションの最適戸数】

※自分のツイートの転載
11月24日
マンションの戸数って、デベ毎に、そしてエリア毎に「最適戸数」があると思う。超大手デベ(メジャー7)だと、首都圏なら100戸以上の規模が「最適戸数」。メジャー7にとって、戸数100戸未満の案件は、手間がかかって、儲けは薄い
しかし、資金も販売マンパワーも少ない中小デベにとっては、戸数100戸以上だと、規模が大き過ぎて手が出しづらい。こういう場合、資金やマンパワーを出してくれそうなメジャー7の中から事業パートナーを探し出してJVになったりする
その結果、戸数100戸以上になりそうな大規模案件の用地情報には大手デベが群がり、そこまで規模が大きくない用地には中小デベが群がる、という「住み分け」が発生する
例えば、小規模な用地情報に出会った大手デベの用地マンはどう行動するか?彼個人の成績にカウントされるから「この土地買いたい!」と支店長に具申する/支店長は「既に当支店は予算達成してお腹一杯だ」「これは小規模でプロジェクト利益が薄い」として部下の具申を却下する
但し、支店全体で「用買戸数ノルマに未達」、つまり「お腹が空いている」場合は、小規模でプロジェクト利益が薄い場合でも、支店長は決裁して土地を買って、ノルマクリアに走ろうとしたりする
あと、エリアバランス、競合状況も決裁には加味される。「このエリアは供給過剰だ、他社も大量用買してるらしい」と聞いたら、そのエリアの用買を見送ったり、「このエリアは需要に対して供給が薄い」と判断したら、利益薄くても用買したりする。この辺の事業勘が、支店長には求められる
「戸数100戸が分水嶺」的書き方したが、この分水嶺は都市圏によって違う。実はこのツイートするきっかけは、「名古屋圏ではこの分水嶺が50戸なんですよ」と関係者から言われたから
というか、名古屋だと、支店長が単独決裁できるのは戸数50戸程度で、それを越えると本社決裁になったりするらしい。マンション市場規模が薄い名古屋圏では、ある程度在庫リスクを意識せざるを得なくなり、大型案件にはメジャー7といえども慎重になってしまう
つまり、メジャー7から見たら、首都圏だと戸数が数百戸クラスが「最適規模」になるが、名古屋圏だと戸数が数十戸クラスが「最適規模」になる。都市圏サイズがマンションの最適規模を変えてしまい、それに沿って街が形成される
建築費負担は、首都圏も名古屋圏もあまり差がない。総じて大規模の方がスケールメリットで工事費安い/今は工事費上昇局面。首都圏だと大規模化によって工事費アップを緩和したり、売値に転嫁できるが、「マンションの最適規模が小さい」名古屋圏のマンションだと工事費アップして厳しい。
この工事費アップが継続すると、1.中小規模マンションが減り、大規模マンションの比率が上がる2.その結果、大手デベの寡占が強まる3.首都圏以外のマンション事業が立ち行かなくなる、と予想するが如何?