日本再興会議の画餅感

6月23日
「日本再興会議」の改訂案を眺めているが、結構笑える。「こんなん、実現するわけないじゃん」的な話も。/一例。「メタボ人口を2020年に25%減(対2008年比)にする」。余計なお世話じゃ/そもそもメタボという定義自体が「作られた定義」だし
今メタボな人は、言ってみれば「確信犯」だから。確信犯は啓蒙したところで治らない。
と思っていたら、日本再興戦略の本文63ページに「健康になった個人へのインセンティブ付与を検討」とおいという一文がさりげなく入ってる。嘘だと思うなら政府のホームページを確認してみるといい/これだとメタボは確かに減るかもしれないが、これ実はとんでもない大ニュースでは?
つまり、「健康具合によって、事実上、保険額を変えます」という内容にほかならず、健康保険制度の根幹を修正する内容。/これを報じているマスコミがいないと思うのだが、自分の見落としか?それとも、全90ページにわたる素案をいちいち目を通す作業を、マスコミは怠ってる?
日本再興戦略76ページ付近も、画餅感がぷんぷん。「今後10年間で、農地の8割は担い手農家に耕作させる」とあるが、そもそも「担い手農家の引き受け手がいない」、という未確認情報も聞いているのだが。PTAの役員選び状態。
日本再興会議素案76ページ、「コメ生産コストを、担い手農家の場合は現状比4割コストダウンさせる」に至っては完全に意味不明。コメ農業は、これ以上大規模化を進めても、ほとんどコストダウンは出来ない、というのが農業経済学者の主流の見解なんだが。
ちなみに「担い手農家」がそもそも存在していない集落(主に中山間地集落)が、集落全数の半分以上、という惨状らしい。そういう画餅状態だ、と知っていて、こんな再興会議素案を鉛筆舐め舐めして作文するのって、むなしくないか?
「担い手農家」に近い概念として「認定農業者」がある。/こちらも当然、なり手がいない。/冗談みたいな話だが、認定農業者のなり手がいないせいなのか、役所の側で勝手に「ある程度の規模の農家」を認定農業者に指名してるケースもあるそうだ。「えっ、オレが認定農業者?聞いてないよ〜」という実話
6月25日
日本再興戦略には「2030年にはインバウンド観光客を3000万人に、宿泊客の6人に1人は外国人にする」という政策目標も明記されてる。自分はこの政策に賛成だが、ネトウヨがこの目標見たら発狂するだろうな
日本再興戦略の「健康保険加入者の健康状態が良ければポイント」って考え方、よくよく考えたら末恐ろしい/企業の人事総務担当から見たら、採用の段階で「メタボになる可能性ある人材」を最初から排除した方が得策になる
つまり、「健康ならボーナス、不健康ならペナルティ」を健保加入者に課す健康保険政策は、採用段階での「不健康差別」を加速する危険性がある