牛肉は贅沢消費のアイコン「だった」(過去形)★

【増田投稿済】
7月25日

国内の肉類消費量。鶏肉や豚肉は比較的安定してるのに対し、牛肉は狂牛病の後遺症から回復できずに低迷してるらしい/私見だが、20年程前は、「贅沢飲食のアイコン」としての牛肉消費があったと思う。「今日は俺が牛肉おごってやる」と言えば尊敬されてた時代

逆に言えば、「あいつに何かおごってやらなきゃ」と言うシーンにおいて、「7割の確率で喜んでもらえそう」だから、人々は儀礼的意味合いも込めて牛肉を消費。首都圏で贈答品に三越が、大阪で阪急百が選ばれるのと同じ理屈で、牛肉がご馳走飲食に選ばれた

その牛肉の消費が低迷したのは、直接的には狂牛病だが、その結果として「ご馳走飲食プレミアム」のかさ上げ部分が剥げ落ちたのが真因じゃないか?「冷静に考えたら、ご馳走は牛肉じゃなくても、いいよね」と人々が「目を覚ました」?

そういえば、20年前は焼き肉チェーンとかステーキチェーンが人気だったが、今は「世界の山ちゃん」とか「鳥貴族」のような焼き鳥チェーンの方が、元気がいいなあ

戦前と今で、食品価格序列を比べたら面白いかも。ブロイラーという「鶏肉の準工場生産化」に成功した鶏肉は、食品内で相対的に安くなっている/戦前比較だと、多分牛肉も安くなってる。何だかんだで畜産技術も進化/技術が進化しにくい魚類が、恐らく食品内で相対的に高くなってる

日本には、まだまだ戦前の感覚が残っていて、「魚は安い、肉は高い」というイメージが残存してる。牛肉のご馳走消費はその名残/アメリカでは、肉は庶民が食べるもので、魚は健康志向が食べる高級品扱いされてるらしい

今では「牛」は食肉と牛乳用にしか使われていない/戦前はこれ以外に3つの用途があった。一つは農耕作業用。もう一つは堆肥用。もう一つは何か?

答えは「皮革用」。石油化学による合成皮革が出来るまでは、牛は「皮革材料」としても貴重だった/特に、西欧化・強兵化で「軍靴」需要が急増。

牛肉価格が下がったのは、戦前は「農耕牛に最適化」されてたのが、戦後は「食肉牛に最適化」されたからだろう/というか、戦前は「まんべんなく農家に一頭」だったのが、今は「特定の畜産専業農家だけが百頭」となったから、効率がいい