住宅市場冷え込みの主因は情報非対称★

今回のGDPショックのA級戦犯は、間違いなく住宅部門/97年の税率引き上げでは、住宅駆け込みに何の対策もせず、反動減で景気悪化/今回は「前回の反省」を踏まえ、様々な対策を打った/にも関わらず、住宅業界は「2回目のA級戦犯」になった/つまり、対策に効果なかった

実質的には、増税前の住宅購入より、増税後の住宅購入の方が、各種対策のおかげで「有利」に働くケースが多い/だから政府は、「今回は、住宅の反動減は少ない筈」と見通した/政府見通しは「一般人の、情報の非対照性」を見落としている

実際にモデルハウスに通い、見積りを貰うレベルの「真剣な住宅検討客」は、政府の「住宅落ち込み対策」の内容を学習してくれる。つまり情報の非対照は起こらない/問題なのは、「なんとなく、家でも買おうか、と思い始め、まだアクションしてない層」。

「なんとなく、家でも買おうか、と思い始め、まだアクションしてない層」の中には、「消費税が5%から8%に上がった」と聞いた時点で、検討を中止する人がいる。その先、「でも、今回の増税に対策が用意されてる」の情報まで辿り着いてくれる人は、政府の想定ほど多くなかった

つまり、今回の住宅リセッションは、「なんとなく、家でも買おうか、と思い始め、まだアクションしてない層」と政府・住宅業界との間で「情報の非対照」が発生したのが主因じゃないか/いくら「良い対策」が作られても、それを周知させなければ意味がない、の典型例

一般人と政府との間の「情報の非対照」をツイートしたが、経済的に有利な情報を摂取する能力は、残念ながら年収高い人が高くて年収低い人は低い/例えば非正規労働者向けの支援制度なんかは、どれだけ非正規労働者が情報摂取しようとしてるか、疑問

「税率を上げます、その代わりにこういう対策します」な政策だと、情報リテラシーが低い人(概ね年収も低い)が不利益を蒙る。情報リテラシーが低い人も考慮した制度設計するなら、「低税率がデファクトスタンダード」な制度設計するしかない

@tarepandism 介護の世界もそれに近いらしい。各種の制度が100も1000も存在し、患者家族はおろか、ケアマネージャや介護事業者ですら、制度の全容を把握してない

@tarepandism 福岡に、介護関係の制度情報を交通整理して、ワンストップでケアマネージャや介護事業者に提供するベンチャーがあって急成長している/逆に言えば、そういうベンチャーに頼らなければならない位に、介護界では「厚生労働省と現場の情報非対照」が深刻

厚生労働省は、「その件は、平成26年3月15日付け、老人局長名通達の1245ページに掲載されてる」な感じで、「情報を関係者に告知済」の感覚が強い/厚生労働省通達の何千ページの中から情報に辿り着く能力は、キャリア官僚はそういう能力があるが、ケアマネージャはそういう能力はない

厚生労働省は膨大な通達をデータベース化、交通整理する気はさらさらなかった。そんな必要性を感じてなかった/介護当事者側は、膨大な通達・複雑な制度を「仕方がない」と諦め、本来業務時間を割いて、というか残業しながら制度を必死に勉強。生産性低い

こんな非生産的な話を「オカシイ」と気付いたのは厚労省でもケアマネでもない部外者。IT系の若者が、ケアマネだった母親の実情を聞いて、「これはオカシイ」と気付いて起業して急成長。

多分、「岩盤規制分野」には、この手の情報非対称がゴロゴロ転がってると思われる。関係者ですら「そういうもの」と諦めている。