『財閥本社を上場する』教科書のようなケースはレア

4月29日

ソニー元会長の出井氏の新潮新書を読んだ/この中で、「ソニーホールディングス」、いや『ソニー財閥』を作りたかった、とストレートに書いていた/「財閥」という用語に対して日本人がネガティブ反応しているのは、GHQによる洗脳だ、とも

その出井氏の本の中で得心が行ったのは、「なぜ戦前的財閥が否定されるのか?それは戦前財閥が、本社自体を上場させなかったからだ」とのストレートな指摘/いわゆる戦前15財閥の中で、本社を上場させた財閥はなかったのか?時間があれば調べたい

でも、資本市場において、「グループ会社の総本山を、上場させる」という『教科書通りの上場の仕方』をしている事例って、日本以外でも、そんなに多くないのでは?例えば「ロスチャイルド」とか「ロックフェラー」の「総本山」は、上場しているのか?

なので、株式上場というのは、経済学の教科書では兎も角、実態としては「資本市場の外にある財閥が、うまいこと資金をゲットするためのツール」として機能してきたのが実態なんじゃないか?

戦後は「持ち株会社制度の禁止」によって、曲がりなりにも「上場を、経済学の教科書通りにしよう」と努力していた/でも、「子会社だけ上場させることで、利得だけ得られる」というメソッドは、戦後も使われる。非上場のコクドと上場の西武鉄道とか

この前とあるところで読んだ、そごう水島氏の研究本も面白かったな。外野から見たら、「そごう」がそごうグループ中核に見えるが、実態は違うという話。「非上場の千葉そごうが、上場会社であるそごうを支配していた」、つまりコクドメソッドの発動

韓国の財閥などは、まさにこの「不透明状態」だよね。サムスン電子は上場企業だが、サムソンを実際に支配している会社は非上場だったり。

サントリーが、子会社の飲料会社を上場させるのも、コクドメソッドの発動なのかな?/・・・のようないろいろな経済妄想のキッカケを与えてくれて、ありがとう出井伸之