日本の資産・住宅ストックとAirbnb

12月23日

日経ビジネス最新刊で特集あったが、Airbnbの欧米と日本の違いが載ってた。欧米でAirbnbのホストやってる人の大半は「非経済的動機」、つまり「海外の人とボランティア的に触れあいたい」な善意からホストやってるケースが大半で、日本みたいに「利回りでやってる」のは少数派

根っこのところ、欧米のAirbnbは「ホームエクスチェンジ」の変型なんだよね。欧米ではAirbnbのホストやってる人がゲストになったり、その逆だったりする/もっと言えば、「自宅に客を招く風習の有無」が、欧米と日本で決定的に違う

40年前の日本では、客を自宅に招く風習がまだ存在していて、だからそのころの自宅には「応接間
」が存在していた/今時の家には「応接間」は存在しない。プラウドとかのモデルルームでも、存在するのは(家族の為の)「リビング」であって、決して「応接間」じゃない

だから、日本の家に「応接間」が復活しない限り、Airbnbは「真の意味で」普及しないんじゃないかな?それまではAirbnbは単なる利回り商品としてしか普及しない

40年前の「ドラえもん」では、のび太のパパ目当てに結構来客が来てた。そういう社会ならAirbnb普及の余地はある/妖怪ウォッチのケータの家に、妖怪以外の来客殆ど居ないもんな。そりゃAirbnbも流行らない訳だわ

@konarits ウチはそもそも客が来ない、、/妻が、家庭訪問とか、子供の友達が来るのを、必死にブロックしてる、、/ヨネスケが晩御飯取材に突撃されても、困る

@konarits そもそも住宅を30年程度で使い捨てする建築文化の国に、住宅を100年以上経年劣化ならぬ「経年優化」させる建築文化のシステムを移植しても、上手くいく筈がない

@konarits ヨーロッパの片田舎とかでも、住宅が経年優化してるから「Airbnbで泊まってみよう」と興味をそそられる訳です/日本の「飯田のいい家」的建売が、果たしてAirbnb的に興味をそそられるものなのか?

その意味では、築100年な日本の古民家とかの方が、建築文化的にも「そそられるもの」がある訳で、そういうところにAirbnbは伸びるべきなんだな。そういう家なら、古き良き「応接間」もあるし。

@konarits 多分、「アニメの家に泊まりたい」的なノリなんだろうな

欧米的な「気軽に客を自宅に招き入れる文化」は、今の日本にはなかなか通用しないんだが、東アジア圏で観察したら、果たしてどうなんだろう?ソウル台北北京上海香港には、果たして「応接間」はあるのか?

東アジア圏は、まだまだ「キャッシュフローリッチではあるが、ストックリッチではない」んだろうな。Airbnb的には「面白くない」/先日の日経に載ってた「資産がミリオネアな国民数リスト」に、購買力平価で日本を上回る台湾がランクインしてないのは、つまりそういうこと

日本の場合、概ね40〜50年前に「先進国入り」したから、そこから貯めた金銭ストックと文化ストックは、かなりのものなのです。残念ながら個人住宅ストックは自慢できませんが/台湾や韓国の場合、これらストックはせいぜい10〜20年分しかない。

ぶっちゃけて言えば、今の日本人は、一つ上の世代のストックをも相続出来てるので、韓国台湾より「ストックの厚みは、厚い」訳です。その部分は、あまり悲願する必要は、ない/一方で、「購買力平価GDPでは、実はこれら2国に逆転されてる」というフロー認識も、重要

現在時点では、まだ日本は「フロー収入では東アジアに追い付かれてるが、過去からのストック蓄積の厚みで、東アジア諸国を引き離して、有利」なんです。東アジア諸国は日本みたいに「個人の金融資産累計が1600兆円」みたいな話は聞こえてこない

が、これ30年たったら、日本の個人金融資産総計が1600兆円から1000兆円に目減りしてたりして、一方で「台湾の個人資産総計が500兆円、韓国の個人資産総計が1000兆円」みたいな世界になっていて、日本のアドバンテージが無くなっていそうな気がする

「日本はストックの面では、韓国台湾中国よりアドバンテージがある」が、「ストックを考え無しに取り崩してしまったら、30年後にストック面でも東アジアに追い付かれる」ということを、どれだけの人がわかっているのか?

ストックはその気になれば3%程度で運用が可能。3%で運用できれば、30年後には日本の1600兆円は3000兆円以上になって、韓国台湾を引き離すことも可能/でも今の日本は運用ゼロだから1600兆円のママ。だから購買力平価GDPが日本以上な韓国台湾に、早晩ストックで追い付かれる

GPIFなんかは、直接新興国のインフラとかに投資したら、10年後とかに2倍になって帰って来ると思うんですがね。10件のうち1〜2件が失敗したとしても、全体では利回り3〜5%にはなるだろう/一年毎の決算を求められない年金資金の運用は、本来ならそうあるべき

1600兆円を年利3%で運用したら毎年50兆円。仮に要介護者が1000万人いたとしても、50兆円を振り向けたら一人辺り500万円は年間使える/医療予算が足らないのか?

王道は「直系卑族の居ない相続の国庫帰属」だと思いますがね。所謂「子無し、孫無し金持ち資産の国庫没収」/試算だと、1600兆円のうち半分は直系卑族がいなくて国庫回収が可能になる

これ10年前から言い続けてるが、直系卑族じゃない相続、つまり兄弟相続って、受け取る側も「有り難みをあまり感じてない」んですよね。既に自分も財産持ってるから、棚からぼた餅的な感覚で、「国庫没収にしても、そんなに抵抗がない」

10年前、某金融商品を売っていて、兄弟相続が発生して、でも「既に自身もそれなりに資産あるし、めんどくさいから、相続手続きを後回しにしている相続人」を何人も見てきた。「そもそも兄弟相続って必要なの?」という問題意識は、そのころから芽生えた

子無しがシニアの3割/ということは、孫無しはシニアの5割になる。兄弟相続を国庫帰属にすれば、ゆくゆくは1600兆円の5割は国のものになる

@osaka_seventeen 皮肉なもので、「相続できる財産を持ってた子無しの被相続人の兄弟」というのは、かなりの確率で「自身もそれなりに資産持ってたりする」んですよね。

「子無し被相続人の財産を欲しくない」と明言する兄弟相続人はいないが、3年も5年も相続手続きを放置して、そのまま認知症になったりしてるのを見ると、「そんなに積極的には相続財産を欲しがってなかったんだろうなあ」とは感じる

数日前の日経に載っていた「世界のミリオネア(資産100万ドル以上)人数」、アメリカが1,565万人、イギリスが236万人、日本が212万人。人口比で見ると、イギリスってミリオネアが相当多いのね?/逆に、経済好調なドイツがランキングに出てこない。イギリスほどには貧富の格差が少ない?

で、その記事の中で「日本のミリオネアは、2015年に212万人だが、2020年には359万人に増える」と予想が載ってたが、何故増えるのか?円高で嵩上げされるのか?団塊ジュニアの年収1,000万プレーヤーがミリオネア入りするのか?シニアから相続が進むのか?

@mukmukclub 2015年時点調査なので、この時点では団塊の大半は退職金受け取り済な気がしますが。

数日前の日経記事で「2020年、日本のミリオネアは100万人増える」のカラクリは、実は兄弟相続なのかもしれない。既に6000万円資産持ってるシニアが、子無しで死んだ兄貴の遺産6000万円も棚からぼた餅で転がり込んで来て、合計1億2000万円の資産になってミリオネアの仲間入り